たれ耳、長い毛、短い鼻、茶色にブチ犬、色も顔つきも違うワンちゃんの顔で埋め尽くされた表紙。どの顔も味があって茶目っ気たっぷり。おまけに帽子をかぶったりメガネをかけたり思い思いにおしゃれしてたりして。犬好きさんなら、表紙だけで思わず手に取ってしまうだろうこの絵本、どんな内容かといいますと・・・。
お話の舞台はどこか懐かしい風情の残る町「わんころタウン」。商店街があって公園があって、ごく普通の町のようですが、住民はみーんな犬なんです。そして、この町ではいつもどこかしらで楽しいことが起こっているみたいですよ。
柴犬のおみっちゃんは八百屋のキュートな看板娘。歌が上手でポップスから演歌まで何でもござれ。店先のりんご箱をステージに、そしてキュウリをマイクに歌う歌謡ショーはいつもお客さんでいっぱいです。そんなある日、町内のど自慢大会に出ることに・・・。可愛い着物を着て上機嫌だったおみっちゃん、ステージに立ったらガチガチふるえて口が開かなくなっちゃった!さあ大変。おみっちゃんはいつもどおりの歌を披露できるんでしょうか。
その他、強面シベリアンハスキーのコゼニ刑事や、オリジナルの可愛い凧で凧揚げするフレンチブルドッグの3つ子の兄弟たちが活躍したりと、全部で3つのお話が収録されています。
この絵本の特徴は、犬種がフォーカスされていること。お話の最後に、その話の主人公の犬種が写真入りで解説されているのが、とてもユニークです。カバーや町に登場する犬たちも全部、犬種が特定できるんだそうですよ。それぞれ、ペットとして身近な種類のワンちゃんたち。図鑑と見比べてみたり、おうちや近所のワンちゃんを見つけたりして盛り上がりますね。
大の愛犬家という、作者大島妙子さんの描く犬たちの表情は、見ているだけでニヤニヤしてしまうほど感情豊かでユーモラス。下町人情物語ならぬ下町犬情物語を楽しみつつ、犬についての知識も増やせる新しい「犬絵本」です。
(絵本ナビ編集部)
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個性的な犬達が暮らすわんころタウンのお話
(1)「しばいぬのおみっちゃん」やおやの看板娘、おみっちゃんは演歌が大好き。ある日のどじまん大会に出場しますが、どうしたことか歌が出てきません。その時・・・。
(2)「シベリアンハスキーのこぜにデカ」こぜにチャラチャラ町を見回るこぜにでか。その時「きゃ〜」という悲鳴が!「事件だ!」ごろっぱちと駆けつけるこぜにデカ。さて犯人は?
(3)「フレンチブルドッグのみつご」明日は凧揚げ大会。フレンチブルドッグの三つ子はお手製の凧に自分たちの似顔絵を描いて明日を楽しみに寝ることに。するとどこからか泣き声が聞こえます。「お空を飛ぶのは怖いよ〜」なんと、凧に書いた絵の三つ子が泣いているのです。さてさて三つ子はどうするのでしょうか。
ユーモアに溢れた心温まる三話のお話しは、犬好きの子どもはもちろん、たくさんの子どもたちの心をやさしさで包んでくれることでしょう。それぞれの犬の写真図鑑が付いていますので、親子の会話も弾みます。
<編集者からのおすすめ情報>
絵本界の大人気作家、大島妙子さんの新刊絵本です。今や年に数冊の絵本を出版する大島先生ですが、中でも動物の絵本には定評があります。ご兄姉に獣医さんもいて、自身も大の愛犬家。犬の種類や生態にも通じています。絵本「わんころタウン」に登場するたくさんの犬も全て種類が特定できます。主人公の三種類の犬は写真で解説しますので、より子どもたちの興味を引くこと間違いありません。
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