「息子はかわいい。」
男の子を育てているママたちの頭の中をざっくり言うと、だいたいこんな感じ。だけど、これじゃあ足りないのです。どれだけかわいくて、どれだけ愛しているか。なかなか面と向かって言う機会は与えられてないけれど……この絵本を読むなら、ね。きみにも伝わるかな。
お話は、おやすみの時間に、ぼうやがママにぎゅーっとされながら質問するところから始まります。
「ねえ、ママ。
ママはずっとぼくのこと好きでいきてくれる?」
そこでママは言います。
「じゃあ、こっそり秘密をおしえてあげるわ」
ママがぼうやのことを愛しているのは出会った時から。いや、会う前からずっと。愛されているってわかるでしょ? そうじゃないかもってきみが感じている時だって、きみがなさけない時だって、ケンカしている時だって……。
展開されるのは、めくるめく母と息子の蜜月の世界。ぼうやが「いい子」の時、「わるい子」の時。ぼうやが「素直」な時、「自分勝手」な時。ぼうやが「頼もしい」時、「まだまだぼうやな」時。左と右のページで絵を比較しながら、でもずっとママの気持ちは変わらないことを伝えていきます。
フランス生まれで世界18カ国語に翻訳されたベストセラーのこの絵本。とにかくぼうやの表情や動きが愛らしく、ママの姿もどこか洗練されていて素敵。フランスらしい独特な色彩も目を引きます。そして、日本語に訳してくれているのは作家・辻仁成。シンプルな言葉の中に、リアルな感情が見え隠れするのは、ママの気持ちがわかるから!?
そこには甘いだけじゃない、楽しいだけじゃない、子育ての大変さが伝わってくる場面もあったり。時にはお互いに存在を忘れるくらい何かに夢中になっていたり。愛しているけれど、「ママのものにはならない」っていうことをいつだって意識していたり。「楽しくて、幸せで、ちょっぴり切ない……宝物のような時間」が詰まっています。
たまには「愛している」と声に出しながら、息子の姿と重ねあわせ、その甘い気持ちを思いっきりかみしめてみるのはいかがでしょう? また明日から元気にやっていけそうです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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世界18カ国語に翻訳されたフランスの大ベストセラーを
辻仁成訳で贈る
ママの気持ちのすべてが詰まっている
《お母さんを幸せにする》絵本
子どもを育てるって、こんなにも楽しくて、大変で、切ない…!
――ママはずっと ぼくのことを好きでいてくれる?
――そうねえ、じゃあ、こっそり秘密をおしえてあげるわ、とママが言いました。
からはじまるお母さんの言葉。
左ページ(良い子)と右ページ(悪い子)の、対のシチュエーションで、
“どんなときもあなたが大好き”と、
子どもを育てる楽しさを教えてくれるだけでなく、
"いつか自分の元を巣立つ"という男の子のお母さんならではの切ない感情 も綴られています。
子育てをしている、これからママになる、息子をもつすべてのお母さんへ贈る、
「お母さんを幸せにする絵本」です。
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