人にはそれぞれ得意なこと、不得意なことがあって、誰かが得意なことでも、ほかのだれかは不得意なこともあります。この絵本は、そんなおたがいの“ちがい”が紡ぎあげた友情のお話しです。
うさぎのミミは、おそうじが大好きで大得意。おへやはいつもピカピカです。今日は、くまのドンを招待しています。ドンは、
「ミミの うちは きれいで きもちが いいなあ」
とうれしそう。ですが、ドンはおそうじが好きじゃないので、どろのついた足でミミのおへやを汚しても気にしません。
そして、
「ぼく ちょっと おなかが すいたなあ。なにか たべるもの ある?」
と言います。
実は、ミミはお料理が苦手。食べるものは用意してありません。そこで、ドンは持ってきたおせんべいを、ぱりぱりぱりと食べ始めます。おせんべいのかけらは、ミミのきれいなおへやに飛びちります。
「あらら……」
ミミはこまりがお。
こんどは、ミミがドンのおうちにやってきました。
お料理が得意なドンは、おいしそうなニンジンドーナツをミミに作ってくれていました。ですが、洗い物もおそうじも苦手なドンのおうちは、お皿もフォークも汚れたまま。二人は手でドーナツを食べます。
それから何日か過ぎましたが、ミミはドンのおうちを訪ねることはありませんでした。
「ぼくの うちが ちらかってるから、いやに なったのかなあ」
と思い、ミミのすきなビスケットを作って届けにいきます。
こんなふたりは、友だちになれるのでしょうか……?
得意なこと不得意なことって、それぞれ違いますよね。ミミもドンも、自分の得意なことをいかして、友だちの困っていることを助けてあげようとします。だって、友だちだから。
この絵本は、いもとようこさんの「ともだちってすてき!」シリーズの1冊で、アメリカの子どもの本の作家、ジュディ・デルトンの原作に、いもとさんがほれ込み、「助け合って生きていくってすてきだね」というテーマを描いています。
人はみんな違っていますが、だからこそ「得意なこと、好きなことをいかして助け合っていこう」と、今の時代の子どもたちへメッセージを楽しく伝える、優しい友達関係を描いた絵本です。
(徳永真紀 絵本編集者)
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誰かが不得意なことは誰かが得意!
感謝して助けてもらいましょう。
そのためにいろんな人がいるのですから。
料理が得意なくまと掃除が得意なうさぎが、
お互いにおぎないあって、大のなかよしの友だちになるお話。
できないことがあっても大丈夫!と、勇気づけられるお話です。
料理が得意で掃除が苦手なくま、料理は不得意だけど掃除が得意なうさぎ。
二人はお互いにできないことを補いあって、仲良しの友だちになります。
小さな子どもたちにも、助け合って生きていく方法がわかりやすく、
楽しみながら理解できるお話です。
大人気の絵本作家いもとようこ先生が原作を気にいり、
アメリカの原作者のご遺族に交渉して描き上げた渾身の作品です。
月刊絵本の4月号として、保育現場でも人気沸騰中。
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