やさしい風が吹いてきて、ひらりと散った桜の花びら。その花びらがそっと触れたのは葉っぱの上のサナギです。サナギはやがてチョウとなり、たんぽぽの綿毛にすっとおります。雨が触れたのは、カエルの頭。セミの鳴き声は遠く丘まで飛んでいき、ふくろうの小さなまばたきは……。
「じゅんばん じゅんばん じゅんばんですよ」
どこからか聞こえてくる、呼びかけの言葉のくりかえし。まるで絵本に登場する生き物たちが順番にバトンを渡し、季節をリレーしているようにも感じられ、その一瞬一瞬がとても愛おしくなってくるのです。
春から夏へ、夏から秋へ、そして冬へと季節がめぐっていく様子を、美しく静かな風景で描き出しているのはaccototoさん。晴れ渡る空に浮かぶ雲や、一面に降り注ぐ雨、どんどんと色を変えながら夜へと近づいていく空や、積もり続ける雪。自然の営みを間近で感じながら暮らしているお二人だからこそ、その繊細な色彩の変化や空気感に実在感が伴います。親子でじっくり眺めながら、思いつくままに様々な会話を広げてみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
桜の花びらが散り、サナギにそっとふれます。やがてサナギはチョウになり…。春から夏へ、夏から秋へそして冬へと季節の巡る様子を描く四季の絵本。「じゅんばんですよ」のフレーズが読み聞かせにもぴったり!
題名から印象的なフレーズです。
表紙絵のフクロウがその響きをじっと聞き入っているようです。
春から始まり、いろいろな生き物たちの営みが、次々とバトンリレーされていきます。
メインの生き物だけでなく、周りの風景もしっかり描かれているため、
五感が開きます。
何より、丁寧に描かれた風景が圧巻の美しさ。
小学生くらいから、大人まで、奥深いメッセージを体感してほしいです。 (レイラさん 50代・じいじ・ばあば 女の子0歳、女の子0歳)
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