「常識」には疑い方がある――
地道に成果をあげ続ける、土居正博先生の実践改善の裏側が丸わかり!
本書の概要
思考停止で前例踏襲の授業にも、「奇をてらう」だけの授業にも陥らない、地に足のついた実践改善の方法
●ぼんやりと存在している「常識」を見つける「目」が手に入る
●「常識」に気づいたときにすべきことが分かる
●多忙でも持続可能な実践改善の習慣が身につく
●土居先生の国語授業の「常識」の乗り越え方を追体験できる
だれでも、どの教室でもできる、ほんの少しの工夫で大きな効果を生みだす実践の創り方を提案します。
本書からわかること
そもそも「常識」ってなんですか?
――「常識を疑え」を考える
「これまでの常識はもう通用しない」「常識に縛られず、自由に考えて行動しよう」「常識を疑って、新しいものを生みだそう」……。
変化する社会に対応した学校づくりや授業改善が求められる中で、このような言葉を耳にする機会も増えているのではないでしょうか。
もともとは柔軟な思考と考え続けることの必要性を訴えるために叫ばれたこれらの言葉も、あまりに広く言われるようになり、もはや「常識を疑う」ことについて、思考停止で受け止めてはいないでしょうか。
確かな実践に定評のある土居先生は、「常識」を「適切に」疑うことの重要性を訴えます。
本書では、適切な疑い方で「常識」を乗り越えていくために、「常識」の性質をきちんと定義し、「常識」を疑うとはどのようなことかを一から見直しています。
本書では「常識」を「明文化されている、されていないに関わらず、多くの教師が『これはそういうものだ』『これはこうやるものだ』と捉えている説」と定義します。
そのうえで、「手法常識」や「概念常識」といった種類、明文化されている「常識」、されていない「常識」などと分析していき、疑うべき「常識」をあぶり出しています。
この「常識」のメリット・デメリット、いくつ説明できますか?
――「常識」にもよさがある
「常識」を疑うときの大前提は「常識=悪」ではないということです。
「常識」が「常識」となった背景には大きな長所があるはずなのです。
土居先生は、「常識」を疑い、乗り越えるときにはよさにも必ず目を向けるべきだと主張します。
「常識」の一般的なよさとして、@一定の効果がある、A持続可能であることを挙げ、「常識」を冷静に見ることをすすめます。
一方で、このよさと表裏一体をなす危険性として、@一定の成果しか出ない、A教師の思考停止を招くことを挙げています。
よさと危険性、どちらにも目を向けた上で、「常識」の乗り越え方を考えるのです。
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