絵本紹介
2022.08.30
みどころ
たくさんお買い物をした帰り道のねみちゃんとばったり出会ったねずみくん。荷物を持ってあげたら、ねみちゃんからうれしいお誘いです。
わたし
ホットケーキ
つくるの
みんなで たべに こない?
「ねみちゃん おりょうり じょうずなんだね みんなをよんでこよーっと」。はりきるねずみくんに「おりょうりで なくて ホットケーキって いってるのに」とねみちゃんは困惑気味。
案の定、あつまったみんなは「ぼくは、バナナの おりょうりが いいなあ」とか「ぼくは、さかなの おりょうりが いいなあ」なんて、口々に勝手なことをいっています。困り顔でキッチンに立つねみちゃん。さて、どんなおりょうりが登場するのでしょうか?
みんながあんまり期待いっぱいの顔をしてるので、これから作るのはホットケーキなの、というひと言がいえないねみちゃん。大丈夫かな、どうするのかな、と私たちまでドキドキしてしまいます。でも、一生懸命考えて、最後はねみちゃんらしいアイデアでみんな大満足。ホットケーキみたいにほんわりあったかいお話です。ねみちゃんもホッとひといき。こんな日のおやつには、お子さんといっしょにいろんな形のホットケーキを焼いてみるのも楽しそうですね。
この書籍を作った人
兵庫県神戸市生まれ。日本大学芸術学部美術科卒業。広告のデザイナーを経て、絵本の世界へ。「いたずらララちゃん」(ポプラ社)で第10回絵本にっぽん賞受賞。主な作品に「ねずみくんのチョッキ」(ポプラ社)「こねこのクリスマス」(教育画劇)「まじょとタイムマシン」(金の星社)など多数。神奈川県在住。
この書籍を作った人
1973年、絵本『Elephant Buttons』(邦題『ぞうのボタン』)をアメリカで出版。 以来、数々の絵本を発表。シュールな味わいをもつ独特の作品世界が数多くの読者を魅了してきた。主な作品に、『ねずみくんのチョッキ』(講談社出版文化賞 受賞)をはじめとする「ねずみくん」シリーズ、『いたずらララちゃん』(絵本 にっぽん賞)、『こころのえほん』(共にポプラ社)、『ことりとねこのものが たり』(金の星社)ほかがある。
見習いたいです
ホットケーキを作ると言ったのに、ねずみくんにはお料理をごちそうしてもらえると勘違いされ、来てくれたみんなにも「お料理上手なんだってね」と言われ、どんどんハードルが上がって困るねみちゃん。
けれど、ねみちゃんさすがです。みんなの満足のいくホットケーキをしっかり作ることができました。ナイスアイデアでしたね。
私も子ども達から、「あれ食べたい」「これがいい」とバラバラの献立リクエストをされることもあるんですが、ねみちゃんみたいにうまく対応できるようになりたいものです。
さいごのホッとまで、ねみちゃんには脱帽の1冊でした。
(てつじんこさん)
いろんなホットケーキ?!
ねみちゃんがホットケーキを作ろうといってるのにみんなの食べたい物のリクエストがバラバラ。子供にねみちゃん、どうすると思うって聞いたら全部混ぜちゃって作るんじゃない??って一言。
じゃじゃ〜〜〜ん、ぞうさんにはバナナのホットケーキ。
ねずみくんにはチーズのホットケーキ。
それぞれの形に、おいしそ〜〜〜だって。
僕には特別大きなホットケーキがいいなあって絵本の中に入って注文していました(笑)
(キラキラ☆マミーさん)
ブランニュープラチナブックとは……?
絵本ナビに寄せられたレビュー評価、販売実績など、独自のロジックにより算出された人気ランキングのうち、上位1000作品を「絵本ナビプラチナブック」として選出し、対象作品に「プラチナブックメダル」の目印をつけてご案内しています。
「ブランニュープラチナブック」は、1900万人の絵本ナビ読者の評価と販売実績を得て、新しく「プラチナブック」に仲間入りした注目の人気作品。作品を推す読者のコメントを読むと、選ばれた理由がわかります。
みどころ
ねみちゃんが
また ホットケーキを
つくってくれるんだって
ウキウキしながらやってきたねずみくんと仲間たち。でも「3時になったらホットケーキのおやつよ」といわれたみんなは待ちきれません。かくれんぼの合間に「はやく3じにしてしまおう」と、かわるがわる時計の針をすすめてしまいます。あっという間に3時になった時計をみて、ねみちゃんはおおあわて……。
でもね、実は、ねみちゃんのほうが一枚うわてなんです。みんなの出来心に、今回もいかにもねみちゃんらしいいたずら心でこたえます。みんなのばつが悪そうな、とっても残念そうな顔といったら! 最後はねずみくんのやさしさで、ほかほかのホットケーキみたいにまあるくおさまります。
何度も登場する時計の絵は、子どもたちが時間に興味を持ついい機会になるかも?長い針と短い針があるアナログ時計、時計を読めない小さな子でも時間がすすむ感覚が伝わります。これをきっかけに、お出かけのときに「長い針が5まできたら出発だよ」なんて生活に時計を取り入れてみるのもいいかもしれませんね。
ところで最後に残る疑問は、時計の針をすすめちゃったみんなも私たちも、「でも……どうして ねみちゃんは ぼくたちが とけいを うごかしたのが わかったのかなあ?」。たねあかしは最後のページ。子どもも大人も、思わず数ページ戻って確認しちゃいますよ。