谷川俊太郎さん推薦! 黒い夜の森を捨て、旅に出る動物たち……移民の旅の現実を描くサイレント絵本
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絵本紹介
2022.11.29
みどころ
ナマケモノくんは木の上で寝てばかり。森の動物たちが下から話しかけます。「ラジオたいそう、君も参加してほしいな」とか「みんなでいったピクニック、君だけこなかった。さみしかったんだぞ」とか。
「毎日なまけていないでさ」なんて言われても、掃除のときも寝ていたし、絡まったヘビくんを助けなかったのもちょうど眠る時間で……。つまりナマケモノくんは「なまけていません。」
そうなんです。自分の誕生日パーティだって寝ていたのは理由があります。地上におりるのは1週間に1度のアレのためだけ。さて、それは何でしょうね?
大塚健太さん・柴田ケイコさんがコンビを組む『うごきません。』(パイインターナショナル)に続くユーモア絵本。本書は、なかなか木からおりないナマケモノくんも見どころですが、個人的には、うらめしそうにナマケモノくんを下から見上げる動物たちの表情に笑っちゃいます。本当はみんなナマケモノくんが大好き。やれやれと思いながら見守る気持ち、なんだか身に覚えがあるかも……。
緑の森に、ビビッドなピンク色があちこちで輝き、茶色のナマケモノくんの眠る姿が不思議とオシャレ?に見えてしまうのも柴田ケイコさんのマジックかも。最後の「なまけるときもありますよ」というセリフに子どもはニヤリ。のんびりした空気を楽しめる絵本です。
そうそう、眠そうなナマケモノくんが目を見開いた瞬間もかわいいんですよ。絵本を読んでのお楽しみ!
この書籍を作った人
埼玉県出身。絵本や紙芝居のおはなしのほかに、 脚本なども執筆している。絵本作品に「いちにちパンダ」 「よるだけパンダ」「カピバラせんせいのバスえんそく」(以上小学館)、 「おにゃけ」「でんにゃ」「虫にんじゃ」(以上パイインターナショナル)、 「フンころがさず」(角川書店)など。
この書籍を作った人
1973年、高知県生まれ。奈良芸術短期大学ビジュアルデザインコース卒業。2002年より広告全般、出版物など、イラストレーターとして高知県で活動中。2009年、第10回ノート展準大賞を受賞。2016年『めがねこ』(手紙社)で絵本デビュー。2児の母。おいしいものが大好き。
芯の強さがすてき
ゆるそうでいて、人(他の動物)から何を言われても自分のスタンスを変えない。これが本当の芯の強さだなと思う。
「わがまま」と紙一重だけど、彼の場合は「自分のスタンスを変えない」という肯定感を感じさせる。
自分本来のやり方で肯定感を人に与えるって、すごいな。
子どもも「なまけているじゃん!」と言いつつ、笑いながら読んでいたので「憎めないな」と思っている様子。
そして、柴田ケイコさんのイラストの色遣いがまた独特ですてき。ここのサイトの写真では分かりにくいけれど、ピンクの部分がもっと派手なショッキングピンクが使われている。ここで、この色なの?という意表を突かれて楽しい。
(だっこらっこさん)
動物に興味を持つようになった
シリーズの『うごきません。』を図書館で借りてきてから動物園に行ったところ、たまたまハシビロコウがいたため、子どもが大喜び! 飽きっぽい子が、そこからしばらく離れなかったほど。
その流れでこちらの絵本も購入。ハシビロコウがいた動物園にナマケモノもいたので、余計興味がわいたらしく、絵本を「見てみて?」と見せてきながら、最近読めるようになった平仮名を一生懸命読んでおりました。
ナマケモノの生態についてもおはなしの流れで描かれているので、図鑑を見るよりもわかりやすいのかもしれません。
とにかく子どもが大好きな一冊になりました♪ 母親の私もですが(笑)。
(decomiokaさん)
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