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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  絵本紹介  >  【考察】『100万回言えばよかった』を絵本『100万回生きたねこ』で読み解く

現在、話題沸騰のTBSドラマ『100万回言えばよかった』(金曜22:00から放送。時間変更の可能性あり)で、主人公・相馬悠依(井上真央)とその恋人・鳥野直木(佐藤健)の思い出の絵本として登場する『100万回生きたねこ』。

なんと今、悠依と直木の生と死の境界線を超えて想い合う、ふたりの情熱を表したような赤の装丁が美しい[45周年記念限定版]が発売されています!

気になるドラマはあと2回で最終回。そこで、絵本『100万回生きたねこ』の登場シーンを中心にストーリーを振り返りつつ、作品が持つテーマ性や読者のレビューを交え、ふたりの恋の行方を考察してみました。

  • 100万回生きたねこ[45周年記念限定版]

    出版社からの内容紹介

    佐野洋子の不朽の名作絵本『100万回生きたねこ』は2022年に発売45周年を迎えました。

    窓あきの赤い函に入った瀟洒な布装、タイトルの金箔押しなど、
    持っているだけでうれしい特別な本ができあがりました。

    いまだけ手に入る名久井直子デザインの限定版。
    プレゼントにも、自分のための愛蔵版としてもぴったりの『100万回生きたねこ』です。

    *2000部限定(シリアルナンバー入り)
    *とらねこの特大ステッカー入り
    *サイズ 左右20センチ×天地18.5センチ

劇中で悠依役の井上真央さんが『100万回生きたねこ』を読み聞かせ!

ドラマ『100万回言えばよかった』は、悠依が誕生日のディナーの約束を、直木にすっぽかされるシーンから始まります。ふたりは付き合って2年。誕生日だし、ひょっとしたらプロポーズ!? と期待していた悠依は、連絡もよこさない直木にがっかりして、一生懸命言い訳をする直木を無視して帰ってしまいます。
ところがその時点で直木は、不測の事態に陥っていたのでした。

突然、直木と会えなくなってしまった悠依。冷蔵庫に残されていた、下ごしらえずみのハンバーグを調理して食べながら、2年前の偶然の再会からこれまで一緒に過ごしてきた思い出を振り返ります。そのデートシーンで登場するのが『100万回生きたねこ』。使われている絵本は通常版です。

本屋で「うちにあったよねー」と懐かしそうに絵本を見ている悠依を見て、「これ買お」とパッと絵本をさらって行く直木。その絵本は、直木が働く洋食店「ハチドリ」のオーナー・池澤英介(荒川良々)の意向で定期的に開いている「こども食堂」にやってきた子どもたちの、読み聞かせに使われました。

子どもたちに囲まれて絵本を読み聞かせする悠依を、優しく見つめる直木。その評価は……「うまいなー。全米が泣くわ」ですって! そんな井上真央さんの情感たっぷりの読み聞かせ、その後の甘々なラブシーンからの急展開は、ぜひドラマでお楽しみください。

その後悠依は、刑事の魚住譲(松山ケンイチ)の訪問を受けます。寺の息子で、代々幽霊が見える家系である魚住は、偶然、街中で直木の霊体を見てしまったのです。最初は驚き、直木を避けた魚住ですが、同じく霊感の強い姉の魚住叶恵(平石紙)の「力になってやんな」という言葉に後押しされ、直木と一緒に悠依を訪ねたのでした。でも、悠依には直木の姿は見えません。それでもなんとか話を聞いてもらうことになりましたが、直木が生きているという希望にすがる悠依は、魚住の言葉を否定し、その場を去っていこうとします。

それを引き留めようと直木が魚住に伝えたのが「悠依は白いねこだって言って」という言葉でした。

悠依と直木は『100万回生きたねこ』の白いねこととらねこ?

直木が悠依に例えた「白いねこ」は、『100万回生きたねこ』に登場するねこです。100万回生きた、りっぱなとらねこに見向きもしない唯一の存在である、白いねこ。なぜ直木は、悠依を「白いねこ」に例えたのでしょうか。その答えは絵本を読めば一発でわかりますが、当の悠依と直木ではおはなしの解釈がちょっと違うということが、第2話でわかります。

「白いねこ」というキーワードとハンバーグの味で、見えないけれども直木がそばにいるということを受け入れた悠依。ところが物語はロマンチックな方向ではなく、あの朴訥そうな直木が、殺人事件の容疑者になるというスリリングな展開へと動いていきます。失踪前後の直木の行動を追ううちに、再び『100万回生きたねこ』の絵本が登場したのが、2022年11月に亡くなった悠依と直木の里親・広田勝(春風亭昇太)の葬儀に出た後、ふたりが勝の自宅を訪れたシーン。

仲睦まじかった広田夫妻を思い浮かべながら、『100万回生きたねこ』を手に取り、ラストシーンを読み上げた後、悠依はこう言います。

「私はうれしくないな、こんなの。私が白いねこだったら、100万回泣いてくれるのはうれしいけど、死んで欲しくない。100万回泣いたら、その後は元気ピンッピンに生きていって欲しい」

※TBSドラマ『100万回言えばよかった』よりセリフ引用

その言葉を聞いて、隣にいた直木は「あれ?」という表情で固まってしまいます。きっと直木は、とらねこの生き様にロマンを感じていたのかもしれませんね。

また第4話では、横浜医科大学に勤める脳神経内科医の宋夏英(読み「ソン・ハヨン」、シム・ウギョン)がこんな風に絵本のことを表現しました。

「心から愛する人に出会えたら、生まれ変わらなくなったという話ですよね。死が永遠の愛になる。美しいおはなし」

※TBSドラマ『100万回言えばよかった』よりセリフ引用

それを受けて、悠依はこう返します。

「愛情を知ったけど、大好きな相手が死んじゃったら、自分の人生も諦めちゃう。それはなんか違うって思う」

※TBSドラマ『100万回言えばよかった』よりセリフ引用

同じ絵本を読んでも、人によって感想はさまざま。それだけではありません。『100万回生きたねこ』は、同じ人でも読む時期やその時の心境によって、絵本を開く度に新しい印象を抱く、不思議な魅力があります。そこで、絵本ナビに寄せられた読者レビューを紹介しましょう。

「大切に読みたい絵本」

この絵本は、大切に大切に読んでいる一冊です。出会ったのは学生の時でしたから20年近く、読んでいることになります。でも、なかなか感想が書けないでいました。それくらい奥の深い絵本です。
何度も何度も死んでは生き返り、何度も何度もいろんな人のねこに生まれ変わります。そう、100万回も。かわいがられてはいましたが、ねこにとって喜びや悲しみはそこにはないんですね。
でも、最後にはだれのものでもないたった一匹のねことして生まれるのです。しろねこと出会い、愛し、家族が増え……。しろいねこが死んだとき、初めて泣きます。何度読んでも、涙が出ます。
愛することや愛する者を失う辛さ、そういった感情をせいいっぱい感じて私も生きていこう、もう、生まれ変わらなくていいと思えるほどの一生を過ごそう……。大切な家族を守りたい。なんて、いつも考えさせられます。これからも、読み深めていきたい一冊です。(ハッピーカオリンママさん)

「年齢によって、感じ方が違う絵本」

私が小学校1年生のころに、母がよく読んでくれた絵本です。そのころには、もう二度と生き返らなかった猫の結末にじーんとはしたものの、深くはわかりませんでした。
私が結婚をするとき、母がこの絵本を渡してくれました。久しぶりに見たこの絵本をとても懐かしく思いましたが、内容は覚えていませんでした。大人になってから見返すと、なんて深い絵本なんだ、と……。自分の人生に満足できず、何度も人生をやり直す猫が、最後に得て満足したものは、お金でも自由でもなく、愛する妻と子どもでした。結婚直前にこの絵本をくれた母の気持ちを思うと、涙が止まりませんでした。(こにゃららんさん)

「愛するということ」

私がはじめてこの本を手にしたのは2歳の時、親からのプレゼント。子どもの頃は、絵のかわいさと、何回も繰り返し生きる猫に思いをはせていた。でも、死んでいくことや人や好きになっていくことはまったく理解できなかった。でも、自分の年齢と共に読み返すと深く理解できてきた。
今では、愛するという難しさとすばらしさを少しだけわかってきた気がする。古くなった「100万回生きた猫」は、今では2冊目を迎えようとしている。これからももち続けたい、読みつづけたいと思う一冊。(イソバンコさん)

愛するふたりを分かつ、生と死

『100万回生きたねこ』を通して明らかになった「愛」と「死」に対する悠依と直木の受け止め方の違いは、その後のストーリーにも大きく関わってきます。なぜなら、悠依と直木の立ち場は絵本とは真逆。「白いねこ」のように先に死んでしまったのは直木で、残された「とらねこ」の立ち場になったのは悠依です。

第3話以降、直木が容疑者となっていた高原涼香殺人事件の捜査が進み、悠依は生きている時にはあえて触れてこなかった、直木の辛い過去を知ることになります。それを知った上で、気持ちを伝える悠依。その告白を聞く直木の複雑な表情にかぶせて流れる、エンディングテーマ曲「リンジュー・ラブ」(マカロニえんぴつ)の歌詞が直木の心情をストレートに表現していて、泣けること泣けること! 生死の境界線を乗り越え想い合うふたりのそばにいた魚住も、モヤモヤではなく、キュンキュンしちゃうくらいです。

ところが、現実は残酷なもの。直木の、そして高原涼香の死の真相に近づくにつれ、悠依の身にも危険が及びます。同時に、否が応でも直木の死に直面せざるを得ない状況の中、悠依の心を支えてくれたのが、最愛の夫を亡くしたハヨンでした。

自分の「死」を受け入れ、生きている悠依に対してどうすべきか、心を決める直木。一方悠依は、幽霊となった直木とコンタクトを取る方法を見つけて、今後自分がどう生きるかを決意します。ここに再び、絵本『100万回生きたねこ』が大きく関わってくるのでは、と予想されます。

なぜなら『100万回生きたねこ』には、「愛」だけでなく、生と死、生まれ変わり(輪廻転生)など、人生そのものを見つめ直すきっかけとなるさまざまなファクターが、絵と文に込められているからです。ドラマが最後のクライマックスを迎えるこの時点で、絵本を読んで悠依のように自分なりに物語を解釈し、考えてみてから視聴すると、より深く物語を楽しめると思います。

ドラマにはまっている恋人に、「一生そばにいたい」と思う相手へのプロポーズがわりに、『100万回生きたねこ』45周年記念限定版がおすすめ! 今すぐ注文すれば、3月14日のホワイトデーにも間に合います!!

なお[45周年記念限定版]は限定2000部。販売も、一部の書店、ネット書店でのみの販売になります。絵本ナビの販売ページは、下の書影をタップしてお進みください。

ドラマ『100万回言えばよかった』には、『100万回生きたねこ』をすでに読んでいる方にはわかる、ちょっとした遊びのシーンも盛りこまれています。第1話で悠依と魚住(と直木)が話し合いをしたファミレスでは、ねこつながりで、お料理を運ぶ「ネコ型配膳ロボット」がさりげなく登場。第8話では、悠依の直木が過去にデートで訪れたねこカフェに、『100万回生きたねこ』の作者・佐野洋子さんが描いたとらねこと白いねこに良く似たねこが登場しています。

さて先週放送された第8話のラスト、悠依は遂に判明した真犯人と対峙し、最大のピンチを迎えています。直木と魚住は間に合うのでしょうか!? そして魚住は悠依に対してどう動くのか!? 本日、3月10日の放送をお見逃しなく!

【続・考察】『100万回言えばよかった』を『100万回生きたねこ』で読み解く

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文・構成/ナカムラミナコ

次の記事はこちら→【続・考察】『100万回言えばよかった』を『100万回生きたねこ』で読み解く

最新記事はこちら→【最終考察】『100万回言えばよかった』を『100万回生きたねこ』で読み解く

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