きょうもかぜはいろづいて
- 作:
- 阿部 海太
- 出版社:
- 岩波書店
かぜ きいろいかぜ
なに みてきたの
瞬間、瞬間をていねいに味わってみれば、ただ生きているということが、どれほど豊かな経験なのか。阿部さんの絵本はそんなことを思い起こさせてくれます。
風が吹くという地球規模で繰り返される、ただし一回きりの現象に、その時、その瞬間に触れているという奇跡。私たちの日常もまた、そういう奇跡の連続のなかにあるのかもしれません。
生まれてきた新しい命が、驚きをもって世界を感じているような喜びが、この作品にはあります。
静かな絵本です。でも画面の奥にはまぎれもない風のエネルギーが満ちています。
ぜひ本書を手に取って開いてもらえたらと願っています。
かぜ みずいろのかぜ
だれと あそんだの
この書籍を作った人
画家・絵本作家。1986年生まれ。埼玉県出身。東京藝術大学デザイン科卒業後、ドイツ、メキシコに渡る。2011年に帰国後、神話や根源的なイメージをモチーフに絵本や絵画作品を発表。
作品に『みち』(リトルモア)、『みずのこどもたち』(佼成出版社)、『めざめる』(あかね書房)、共著に『ほっきょくでうしをうつ』(岩崎書店)、『えほん遠野物語 しびと』(汐文社)、『わたしはきめた 日本の憲法 最初の話』(ほるぷ出版)などがある。
『ぼくがふえをふいたら』(岩波書店)で第26回日本絵本賞を受賞。