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今、取り組んでいるのは、「砂」のジオラマです。前回レポートした「街のめいろ」は、最初に紙にラフを描いてから、ジオラマ製作にとりかかりましたが、今回の「砂のめいろ」は、ちょっとちがう方法で進めています。
みなさん、「プラレール」という鉄道模型をごぞんじでしょうか。レールをつないで、自由に道をつくる、あの人気のおもちゃです。今回のめいろづくりは、その感覚に似ています。
まずは、レール部分にあたる道を、発泡スチロールでパーツに分けて何個も作ります。直線もあれば、カーブもあります。これらをめいろになるように並べていきます。二股に分かれる箇所を作ったり、遠回りしてもらう箇所を作ったり。めいろですから、なにしろ迷ってもらわなくてはいけません!
道のパーツをあっちにしたりこっちにしたり、何度も移動させながら、なんとかめいろができあがりました。左上部分には海を、右上部分には砂のお城を作ることにしました。道もお城も、発泡スチロールにベージュ色のカラースプレーを吹きつけ、乾かないうちに砂をふりかけると、まるで砂でできているような風合いにしあがります。
地面も、カラースプレーと砂でかためていきます。発泡スチロールの地肌が見えなくなると、まるで砂の世界! ただこの時、カラースプレーを大量に使うので、うちの作業部屋にはスプレーの強い匂いが充満。換気には十分注意です(笑)。
ここまでくるのに、およそ20日間! スプレーを吹きつけては砂をかけるという作業のくりかえしで、部屋も服も砂だらけです。できあがるまで、部屋が汚れるのには見ないふり。きれい好きには向きません。
さて、このジオラマに使っている砂には、ひみつがあります。砂場にあるようにな普通の砂ではありません。ものすごく細かい粒の砂なのです。大きい粒の砂をジオラマに使ってしまうと、撮影したときに、やたらと粒が目立ちます。そこで探しに探して見つけたのが、ハムスターの砂あそび用の砂。この砂だと、粒がなめらかで細やかなのです。しかも、色も少し黄色みがかってよい感じ。
さあ、「砂のめいろ」もやっと完成! あとはスタジオに運びこんで、撮影をするだけとなりました。
撮影当日、さらにジオラマに砂を流しこんで、刷毛や指で砂の表面をなぞり、できるだけ豊かに砂の表情をつけていきます。これはまるで、みんなで砂遊びをしているような楽しい作業です。
海の部分は、青いビニールシートの上に、手作りのスライムを流します。さがしものを配置して、海辺のまぶしい光を、カメラマンの関さん、森山さんが演出してくれると……。
わぁ〜、すてき! ここはどこ? 狭い部屋でコツコツ作った1メートル四方のジオラマが、大きな世界に見えた瞬間!
さて、この「砂のめいろ」には後日談があります。撮影終了後、使った砂をビニール袋に戻して、スタジオから宅配便で自宅に送ったところ、どこかに小さな穴が開いていたのか、ちょろちょろと少しずつ、砂がこぼれていました。ビニール袋をよーく見ても、目に見えるほどの穴はありません。私が使ったこの砂は、やっぱりものすごく細かい粒なのだということを実感しました。
次回は、「切り株のめいろ」に取りかかる予定です。どうぞお楽しみに!
(山形明美)