「ぼくは1日中 ママのスカートの中で生活する」。そんな、ちょっと刺激的なフレーズとまっ赤な表紙に思わず立ち止まって手に取りたくなってしまう絵本『ママのスカート』。フランスでは、ママっ子のことを「ママのスカートの中にいる」とからかうのだそうです。そんなフランスのお国柄あふれる発想から生まれたこの絵本は、なんとママのスカートをめくれるしかけつき! スカートをめくるなんて、ちょっとドキドキしますよね。そして、木村カエラさんが翻訳をされている!ということでもワクワク度アップ!
今回は木村カエラさんにインタビュー、そして、『ママのスカート』の出版を手がけた、千倉書房の千倉真理さんにもおはなしを伺っています。木村カエラさんとのやり取り、作者のキャロル・フィブさん、ドロテ・ド・モンフレッドさんの絵本に対する思いなどを語っていただきました。
───最初に『ママのスカート』と出会ったときの印象を教えていただけますか?
まず、色使いがなんて可愛いのだろうと思いました。
私は赤が1番好きな色なので、一目惚れに近い感覚でした。
───カエラさんにとっては初めての絵本翻訳作品となりますね。翻訳の仕事を引き受けようと思われたのはどうしてですか?
もともと絵本作りに興味があったので、すぐにやってみたいと感じました。
フランスではママのスカートという言葉は、“ママっ子”という意味があるらしいです。
私なりの解釈で、この内容は産まれる前の母の胎内にいる子どもが、生まれてくるまでの体験にも似てるのではないかと感じたところから、私なりの言葉で翻訳したいと思いました。
───ひとつひとつの文は短いのに、男の子の気持ちがとっても伝わってくるフレーズの数々。お気に入りページ、お気に入りフレーズを教えていただけますか?
「すっごーい ここはなんでもそろってるね!」というフレーズが好きです。
母は子どもにとって、そんな安心感がある存在でいないといけないと思います。そして、子どもにそう思わせてあげるのが母親の仕事だと思います。
それが、この一言に詰め込まれている思いだと私は感じました。
───この絵本を翻訳されているとき、絵本の中の男の子と母親、それぞれの立場に立たれたのかと思います。子どもに、そして大人に、この絵本を通してどんなことを伝えたいと思いましたか?
子どもが親離れを、親が子離れをするまではきっとあっという間で、それまでの貴重な時間を大切に過ごしてもらえたらと、思っています。
───カエラさんご自身のお好きな絵本、または記憶に残っている絵本があれば教えていただけますか?
『おおきな木』(作・絵:シェル・シルヴァスタイン 訳:村上春樹 出版社:あすなろ書房)、『ぼくを探しに』(作・絵:シェル・シルヴァスタイン 訳:倉橋由美子 出版社:講談社)『どろんこハリー』(作: ジーン・ジオン 絵: マーガレット・ブロイ・グレアム 訳: わたなべ しげお 出版社: 福音館書店)が特に覚えていますね。
───また絵本の翻訳や創作をされたい! という思いはありますか?
もちろんあります!
───最後に絵本ナビユーザー向けてメッセージをお願いします。
絵本はとてもシンプルですが、そのシンプルな言葉にたくさんの意味が隠されていると思います。
色使いや絵、言葉から、想像力や夢、希望がたくさん詰まっているものだと思います。
大人がよめば、心が素直になり、子どもがよめば、それが未来につながります。
───ありがとうございました。
木村カエラさんが新しい絵本を手がけるときには、是非また、絵本ナビでも紹介させていただけたら嬉しいです。
木村 カエラ(きむらかえら)
1984年10月24日生まれ。東京都出身。
2004年、シングル『Level42』でメジャーデビュー。ワンマンツアーのみならずフェス・イベントにも積極的に参加する一方で、CMにも多数出演。
デビュー10周年を迎える今年は、ベストアルバム『10years』、10周年記念シングル『OLE!OH!』のリリースを始め、SUMMER SONICなど、各地夏フェスにも参戦予定。
10月25、26日には、10周年記念LIVEが横浜アリーナで行われることも決定している。