おなじみのおやすみ絵本『おやすみなさい おつきさま』のCD付き英語絵本が発売となりました。もともと英語の原書では、韻を踏んだ文章のリズムが魅力の作品で、英語・日本語の両方を朗読で楽しめるバイリンガルCD付きの英語絵本の出版は嬉しいニュースでした。他にも国内外の名作絵本が揃っている「CD付き英語絵本」シリーズについて、出版元のラボ教育センターさんのお話しを伺ってきました。
- 英日CD付 英語絵本 おやすみなさいおつきさま GOODNIGHT MOON
- 作:マーガレット・ワイズ・ブラウン
絵:クレメント・ハード
日本語訳:瀬田 貞二
語り:リン ホブディ(英語語り)/安奈 淳(日本語語り)
音楽:野見 祐二 - 出版社:ラボ教育センター
“はじめての英語絵本”におすすめ!CD付き英語絵本『おやすみなさい おつきさま』。あの大人気の絵本が、CD付きで新登場!英語と日本語、2ヶ国語で楽しめます。はじめて英語に触れるお子さんや、ゆるやかに英語に親しみたい方におすすめです。マザーグース(英語のわらべうた)も4曲収録。盛りだくさんの内容でお届けします。【作品紹介ページからCDの試聴ができます】
●『おやすみなさい おつきさま GOODNIGHT MOON』
───CD付き英語絵本シリーズの最新作『おやすみなさい おつきさま』についてお話を伺いたいと思います。今回なぜ『おやすみなさい おつきさま』を選ばれたのか、教えていただけますか。
佐藤さん:今回は、はじめての英語絵本として親子でゆったり楽しめるものをと思い、英語でも、日本語でも愛されている作品をさがしていました。以前、『「おはよう」から「おやすみ」まで親子で楽しむマザーグース』という、英語圏のわらべうたシリーズを弊社で出版したのですが、赤ちゃんが最初に触れる英語の本として、大変人気がありました。
───海外でも、子どもに読んであげる最初の一冊として、手にとられている事が多いようですね。
佐藤さん:そのようです。仕事でカナダに行く機会がありましたので、書店をみてまわったのですが、『おやすみなさい おつきさま』は必ず目立つところに置いてありました。英語圏の子どもにとっても、初めて英語に触れる最適な絵本なのだと感じました。
───付属のCDには、マザーグースの歌も収録されていますよね。
佐藤さん:絵本に登場する「めうしがおつきさまをとびこす絵」は、『Hey diddle diddle』というマザーグースの歌の一節なのです。なのでマザーグースも一緒に楽しむことで、より一層この絵本を楽しめると思い、歌もたくさん収録しました。ほかには、本文中の韻をふんだ「kittens(こねこ)」や「mittens(てぶくろ)」がでてくる『Three Little Kittens』の歌や、「静かにおし」という意味の”Hush”にちなんだ歌も入っています。絵本と歌と両方でお話の世界観を楽しんでもらえたらいいなと思います。
───絵本に登場する要素が歌にでてくるので、CDを聴いて自然に絵本の世界とつながれるのは、とてもいいですよね。『おやすみなさい おつきさま』に関しては、絵本ナビユーザーさんの中でも、「英語版を読まなきゃだめ!」と主張される方がいます。「なぜ文章中に、「こねこ」と「てぶくろ」が脈略もなく登場するのか、そのつながりは日本語訳を読んだだけではわからない。」と、そういうご意見は昔からありました。だから、日本語と英語の両方で楽しめるこの絵本をみた時は思わず、「これだ!」と思いました。(笑)
奥川さん:私の子どもが一歳くらいの時は、アメリカで購入した英語版の『おやすみなさい おつきさま』に恥ずかしながら、瀬田貞二さんの日本語訳を書き込んで、読み聞かせの時に使っていました。特にこの絵本は夜寝る前にぴったりの内容ですから、「今日、一日楽しかったね。」と子どもと話しながら、ベッドで読み聞かせるには本当に一番いいお話だなぁと改めて思います。CDをお手本にして、お母さんが英語と日本語で読み聞かせに挑戦しても、本文が短いので、子どもも抵抗なく聴いてくれますよ。そういう意味では、子どもにとってもお母さんにとっても、読み聞かせのはじめの一冊としてかなりおすすめの絵本だと思います。
(※)ラボ・パーティ(子ども英語教室):ラボ教育センターが全国に展開している子ども英語教室。
●CD付き英語絵本の魅力
───この英語絵本ですが、本当に馴染みの深い名作ばかりが揃っていますよね。
小川さん:新刊を選考する時にいつもテーマを決めるんですよ。その時代にあった、生きていくための知恵であるとか、友情、勇気とか冒険、昔話とかファンタジーといったようなテーマを決めて新刊をつくっていきます。選考するにあたっては、全国のラボ・パーティの教室の先生方から推薦されたものを参考に、厳選していきます。話し合いながら決めていきますので、1年くらいかかりますね。
───作品ありきで制作を開始するわけではないんですね。
小川さん:選考については、常に現場にいる先生方の意見を大事にしています。結果、世界中の名作が集まっています。全国のラボの先生から意見を集約しますからとても面白いですよ。例えば東北の先生方は、みな宮沢賢治の英語絵本をだすのが悲願でした。今では、宮沢賢治シリーズを4冊だしていて、学校や、岩手の宮沢賢治記念館などでも人気の作品です。
───原書が英語のものだけではなく、日本語の絵本を英訳したものがありますよね。
小川さん:原書が英語の絵本の場合は、絵本を通して英語圏の文化に触れることが出来る、英語を学ぶ上では大切なことだと思います。日本の絵本は、身近なものなので親近感もあるし、文化的な背景に共感できますよね。子どもたちには、いろんな文化に触れてほしい、いろんな絵本に出会ってほしいという願いから、英語圏の原書だけではなく、日本の昔話や創作絵本、アジアの絵本、ヨーロッパの絵本など、世界中の話を揃えています。