───ご夫婦で絵本作家として活動しているツペラ ツペラさんは、小学校2年生の女の子と3歳の男の子のパパママでもあります。絵本を作るときに、お子さんに読み聞かせをしたりするんですか?
亀山:実は自分たちの本はほとんどしないんです。家にはぼくたちの絵本よりも他の絵本作家さんの絵本の方が多いですよ……。最近は上の子が大きくなったので、お姉ちゃんが弟に絵本を読んであげたりしています。
中川:ちょうど「かおノート」を作ったときに娘が生まれて、娘はそこから私たちの作品とともに成長しています。特別、子どもを意識しなくても、普段の生活すべてから何らかの形で子どもとの関わりがにじみ出て、作品になっているとは思います。
亀山:でも、『おばけだじょ』は、息子があまりにおばけに夢中なので、おばけの絵本を作ってあげたいなと思って作った作品ですね。
───息子さんが『おばけだじょ』を読んで、どんな反応をされるか、楽しみですね。お子さんの好きな絵本や最近ハマっているものにはどんなものがありますか?
中川:息子は今、おばけと石に夢中です。どこに遊びに行っても必ず石を拾ってきます。彼は特に茶色い石が好きらしくて家の外には、息子の石コレクションが並んでいるんですよ。

亀山:絵本も、『おばけでんしゃ』(作:内田麟太郎絵:西村繁男出版社:童心社)、「妖怪横丁」シリーズ(作:広瀬克也出版社:絵本館)、せなけいこさんのおばけのシリーズもたくさん読みました。 
中川:娘は小学校の図書館で色んな絵本を借りて読んでいます。この間は、自分の本だけでなく、弟と私たちが好きそうな絵本も借りてきてくれました。
───上のお子さんは絵本が好きなんですね。
中川:娘の将来の夢は、絵本屋さんなんですよ。
───そうなんですか!
亀山:ぼくたち全然知らなくて、保育園の卒園式で将来の夢をいう場面で突然、「私は絵本屋さんになりたいです」って。ビックリしました。
中川:カフェと雑貨屋さんが併設された、わりと今どきのオシャレな絵本屋さんみたいです。「ツペラ ツペラの絵本も売ってあげる!」って言ってくれました(笑)。
───パパとママの絵本を売る絵本屋さんなんて、素敵ですね。オープンしたら、常連になりたいです。今後予定している絵本はどんな作品がありますか?
中川:『おばけだじょ』を作ったばかりなので、本格的に制作に入っている作品はないのですが、まだまだいろいろ作品を出したいと思っています。
亀山:『うんこしりとり』は、以前「kodomoe」で「続編を描きます」宣言をしてしまったので、パート2の『おならしりとり』を考えているところです。
───おならしりとり! どんなしりとり絵本になるのかワクワクします。これからも、どんどん新しい技法やアイディアのつまった作品を見れるのが楽しみです。最後に絵本ナビユーザーへ『おばけだじょ』のメッセージをお願いします。

おばけだじょ!ポーズ中川:実は、絵も文もツペラ ツペラの絵本は『どこどこハート』(ブロンズ新社)以来、約1年半ぶりの新作になります。ハラハラしながら、ページをめくって……読み終わる頃にはこの真っ黒なおばけちゃんをすきになってもらえたら嬉しいです。
亀山:みんなを怖がらせるおばけツールとして使ってもらえたらと思います。
『おばけだじょ』はこの夏にピッタリの絵本だじょ!
編集後記
意外にも、ツペラ ツペラさんに取材させていただくのは絵本ナビ初ということで、ドキドキしながら、アトリエに伺わせていただいたスタッフ一同。窓から日差しが差し込む明るいアトリエは、いたるところに作品が飾って、ツペラ ツペラワールドに迷い込んだよう。取材中、撮影に夢中になるあまり、オブジェを倒してしまったスタッフに対して、「あ、それはわざと倒れやすくしてるんですよ」と笑って説明する亀山さん。そんなオブジェがあるなんて! とビックリしました。オシャレなのに、どこかヘンテコがツペラ ツペラ作品の特徴。これからもますますヘンテコな作品で私たちを楽しませてくれることでしょう。
 
インタビュー・文: 木村春子(絵本ナビライター)
撮影:所靖子