───まず初めに、角川つばさ文庫レーベルの発刊への思いや、大切にしていることについてお聞かせいただけますか。
───児童書のランキングを見ていると、いつも上位に角川つばさ文庫のシリーズがいくつも入っていますね。特に人気の高いシリーズについて簡単にご紹介いただけるでしょうか。また、読者である子どもたちからの反響についても教えていただけるでしょうか。
人気の高いシリーズは、宗田理さんの「ぼくら」シリーズです。角川文庫でも刊行させていただいている作品ですが、角川つばさ文庫だけでも累計160万部を越えるヒットシリーズになっています。保護者となられている世代の方から、いまの小学生まで幅広い世代の方々に楽しんでいただける新名作ともいえるシリーズになっています。
子どもたちからも、悪いおとなをやっつける痛快エンタテイメントとして受け入れられています。
またそのほかに「怪盗レッド」シリーズ、「空想科学読本」シリーズ、角川つばさ文庫第一回小説大賞受賞作「こわいもの係」シリーズなど男女ともに読める作品が好調です。
- 角川つばさ文庫 ぼくらの七日間戦争
- 作:宗田 理
イラスト:はしもとしん - 出版社:KADOKAWA
明日から夏休みという日、東京下町にある中学校の1年2組男子全員が姿を消した。事故? 集団誘拐? じつは彼らは廃工場に立てこもり、ここを解放区として、大人たちへの“叛乱”を起こしたのだった! 女子生徒たちとの奇想天外な大作戦に、本物の誘拐事件がからまり、大人たちは大混乱……息もつかせぬ大傑作エンタテインメント! 「ぼくら」シリーズの大ベストセラー!
「明日から、おまえたちが怪盗レッドだ!」春休みのある日、アスカとケイはお父さんからそんなことを言われちゃった! 2人はねずみ小僧を先祖にもつ家系で、13才になると、怪盗デビューしなきゃならないんだって! しかも2人とも、しらないうちに、ありえない力を身につけていて…。IQ200の天才ケイと、人間ばなれした運動力のアスカが、悪しきをくじき、よわきをすくう、平成の怪盗としてとびまわるよ!
タケコプターが本当にあったら、空を飛べる? かめはめ波(は)を撃(う)つには、どうすればいい? アンパンマンの顔は、普通のアンパン何個分? アニメやマンガや昔話など、人間の想像力が生んだ「空想科学(くうそうかがく)」のできごとを科学的に考えるのが、本書『ジュニア空想科学読本(くうそうかがくどくほん)』だ。誰もが気になる33の現象(げんしょう)を検証(けんしょう)してみたところ、意外な結論が続出。笑って読むうちに、すっかり理科が好きになる!
四年の新学期。わたし友花(ともか)は、あこがれの麗子先輩(れいこせんぱい)から「今年のこわいもの係さん」って呼ばれたんだ。へっ、なんデスかソレ? あさひ小の古い北校舎にはこわ〜いウワサがいっぱい。だから毎年、四年一組四番の子が、事件を解決するこわいもの係になるんだって。秘密のかべを通りぬけ、〈霊組(れいくみ)〉の教室に行くと、座敷(ざしき)わらしの花(はな)ちゃんや古鏡の精霊・鏡子(きょうこ)さんがわたしを待っていたんだ。よーしいっちょがんばりますか! 角川つばさ文庫小説賞《大賞》受賞作!
───表紙を目にした時に、ぱっと手に取りたくなるようなイラストも魅力のひとつですよね。
イラストについてこだわられているところや、絵描きさんを選ばれる時に意識されていることなどありましたら教えて下さい。
読者であるこどもたちが、手にとりやすい絵柄であることに重点をおいてイラストをお願いしています。
───角川つばさ文庫は、電子書籍でも楽しむことができますね。電子書籍では、どんなシリーズが人気なのでしょうか。
こちらもやはり「ぼくら」シリーズが好調です。またメディアミックス作品になりますが、「日常の夏休み」も好調です。
- 角川つばさ文庫 日常の夏休み
- 著:伊豆平成
絵・原作:あらゐ けいいち - 出版社:KADOKAWA
なのの家・東雲研究所(しののめけんきゅうじょ)に、宿題をしにきたゆっこたち3人組。ところが、ゆっこが「みんなでどっかへ行こうよ!」と言いだしたせいで、はかせに遠い宇宙へ飛ばされてしまった! そこは妖星(ようせい)バラス。口に出したことがすべて現実になる、夢のような星。大喜びで遊びまくる3人だけど、そのころ時定市(ときさだめし)にはおそるべき危機が迫っていて!? 人気コミックを小説化。あらゐけいいちの描き下ろし絵50点で読む『日常(にちじょう)』の世界!!
───電子書籍は、本屋さんが近くになくても本を購入できたり、たくさんの本を端末に入れて持ち運べたりするところが便利ですよね。これからも、街の本屋さんでも電子書店でも楽しめる作品が多く出ることを楽しみにしています。 最後に、これから登場する注目作品がありましたら、教えていただけますか。
───ありがとうございました。新刊とほぼ同じタイミングで、電子書籍化されるとは、嬉しいですね!
今後の刊行作品も楽しみにしています。
※あたらしく出る本の情報や、充実のシリーズ紹介など、どんどん読みたくなる本の情報がいっぱい!
こちらもぜひ、ご覧下さい。
取材・構成: 秋山朋恵(絵本ナビ編集部)