───おはなしを伺うと、それぞれの絵本の中にカートくんをはじめとしたそれぞれのキャラクターの個性や世界観がきちんと入っているように思いました。
もともと、カートくんの仲間たちはどのキャラクターもとても個性的なんです。カートくんは、みんなの人気者で正統派なヒーロー。ガールフレンドのジェーンちゃんはピンクのボディがかわいい、心優しい女の子。親友のスティーブくんは食いしん坊でのんびり屋。そしていじわるディブはいつも問題を起こしてカートくんを困らせる。でも、おはなしを盛り上げるためにとても大事なキャラクターです。
───ディブにいじわるをされて、力が出なくなってしまったカートくんを助ける、ケビンくんも重要なキャラクターですよね。ケビンくんからスペシャルパワーミルクをもらって、パワーアップするカートくんは、アニメでもショーでもとっても輝いていました。
アニメとショーが先にあったので、絵本でもそれぞれのキャラクターの個性が光るよう、見せ方には特に気を遣いました。
───例えばどんな見せ方を工夫したのですか?
絵本では、アニメーションで使われている画面を編集してページ構成や構図を決めています。最初にデザイナーが構成してくれた内容を見て、もっと、このキャラクターが前に出た方が良いとか、この場面よりももう数秒後の場面を使いたい、カートくんが魔法を使うときは、場面をもっとキラキラさせてスペシャル感を出したい……など、指示を出して、ページをめくったときに場面が単調にならないように気をつけました。
───キャラクターの位置や使う場面を変えることができるなんて、すごいですね!
画家さんが絵を描くタイプの絵本では、一度絵が決まってしまうと、見せ方を変えるには描き直さなければいけないですよね。一番いい見せ方を何度も検証できるのがCGの良さだと思います。
───ストーリーはアニメと同じなんですか?
そうです。ただ、絵本は声に出して読みやすいようにしたかったので、文章をできるだけ削って、言い回しなどを変えています。文字の大きさもお子さんが一人でも読めるように、すこし大きくしています。
───細かいところにもこだわっているんですね。今回、3冊が同時発売となりますが、今後もシリーズとして、続編が発売される予定なのでしょうか?
カートくんの絵本を作るきっかけとなったのが、ミキハウスにいらっしゃるお客様の声でした。ですので、絵本もお客様の要望を頂ければ、シリーズを続けていきたいと思います。おかげさまで、アニメで放送したおはなしがまだまだあるので、その中から絵本を作ることができますし、もし、もっと人気になったら、絵本オリジナルのストーリーも作れたらと思っています。
───もっと他のカートくんの絵本も見てみたくなりますね。
今回、カートくんが待望の絵本になるということで、ミキハウスランドやアニメでカートくんを知っている子どもたち以外にも、絵本でカートくんとはじめて出会う方も多いと思います。絵本を読んで、アニメがあることを知ってDVDを見てくださる方や、ミキハウスランドにお越しいただく方が増えるなど、絵本、アニメ、ショー、それぞれの方面からメディアミックス的にカートくんがさらに人気者になってくれたら嬉しいです。
───カートくんの活躍を今後も応援していきます。今日は本当にありがとうございました。
「カートくん」の絵本を編集したミキハウス出版部の清水剛さん
●編集後記

編集だけでなく、絵本の企画からマーケティング、販売までをひとりが行うというミキハウスさん。今回、おはなしを伺った清水さんが自信をもってオススメする「ポカポカフレンズ」シリーズは、音と絵本が一体となった、体感タイプの絵本シリーズです。たいこやピアノ、リズム遊びなどが楽しめると、大人気のシリーズです。

●アニメオープニング映像&インタビュー動画 公開中!
インタビュー・文: 木村春子
撮影:所靖子