●アニメ化? 新作発売? 10周年イベント続々!
───10周年に向けて、いろいろ新しいことが始まると伺いましたが……。
ひとつはTVアニメ化です。これまで「こびとづかん」シリーズはいくつも映像化され、映画やDVDになってきましたが、本の世界観をなるべく忠実に表現していました。でも今回は10周年ということもあって、ビジュアルをガラッと変え、しかも「こびと」ではなく「ちょびっと」という新しいキャラクターたちの物語としてアニメで挑戦します。2016年7月から放送予定なので、ぜひ、みなさんで観ていただけたら嬉しいです。(キッズステーション、TOKYO MX、テレビ金沢などで放映)
「ちょびっとづかん」HP
───コビトのアクの強さが良い意味で抜けて、かわいいビジュアルになっていますね。
そうなんです。カクレモモジリは、かわいいけどちょっと生意気な性格。ホトケアカバネは、いつも神秘的な言葉を話すキャラクターになっています(笑)。アニメ化以外にも、絵本10周年を記念したイベントを全国各地で開催予定ですので。ぜひ、多くの人に参加してもらえると嬉しいです。
───絵本の新刊も出版されるのですか?
「こびとづかん」の関連では、長年羊毛フェルトでコビトを作り続けてくれている小林雅子さんのフェルト人形を駆使した写真絵本が出版されます。彼女の作るフェルトのコビトたちは、ぼくも驚きのクオリティです。かわいいフェルト人形のコビトたちが、しりとり遊びで場面を繋いでいく『モモジリとり』(ロクリン社/7月刊行予定)です。ご期待ください!
───なばたさんご自身が、新たにチャレンジしたいことはありますか?
そうですね、2016年は「こびと10周年」とともに、ぼくの絵本作家デビュー10周年なんです。なので、「こびとづかん」シリーズ以外の絵本を作ってみたいと思っています。
───どんなおはなしになるのか、すごく気になります。
一昨年、雑誌の企画で世界の名作童話にイラストを描く仕事をさせて頂きました。既にあるテキストに絵を付けることをしてこなかったので、最初はとても抵抗があったんです。でも自由な解釈で構わないと言われ、それならと。それではじめてみるとそれが意外にも楽しくて、新鮮でした。読者にも大好評だったようです。毎年作家さんを変えるというルールがあったのに、最終回を迎えたとき、異例の続投を頼まれたくらいです。描いたのは全部で11話。いつかそれを1冊にまとめてみようと思っています。それと、『こびとづかん』でしてきたような、子どもたちにまた新たな刺激をと、今考えています。コビトのように、「信じて、想像して、自ら調査する」そんな仕掛けを検討しています。楽しみにしていて下さい。
───とてもワクワクしますね。
ぼくは、子どものときから考えていたことを今表現しているのかもしれません。ぼくの作品作りは、常に昔の記憶を手繰りながら、前進しているんだと思います。
───過去を振り返りながら、前進しているんですね。今年、ますます前進を続ける「こびとづかん」シリーズを絵本ナビでも追いかけていきたいと思います。最後に絵本ナビユーザーにメッセージをいただけますか。
この10年コビトのおかげで、いろいろな体験をさせてもらいました。ぼくはコビトたちにとても感謝しています。この仕事を続けられることが、とても幸せです。10年を迎えて、まだまだ「こびとづかん」で新しいことをしていきたいと思います。「こびとづかん」シリーズを読んくれた子が、自由に楽しんでくれて、いろいろなことに興味を持ってくれたら、何気なく過ごしている日常が、きっと楽しくなると思います。大人の方たちも、子どもたちと一緒に「こびとづかん」シリーズを楽しんでもらえたら嬉しいです。「こびとはいつも、みんなのそばに!」
───ありがとうございました。
●なばたさんのアトリエにお邪魔しました!
●インタビュー動画 公開中!
インタビュー・文: 木村春子
撮影:所靖子