絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  おそろしくも愉快な地獄の世界!『カレー地獄旅行』「ひげラク商店」安楽雅志さんインタビュー

───後ろの見返しには「カレー地獄商店街」のお店が並んでいて、「ごめんお面」や「えんまんじゅう」などダジャレ要素溢れるお土産が登場していますね。

好き嫌いをしたり、嘘をついたり、悪いことをするとみちひとくんのように「カレー地獄」に落ちてしまいますが、本当は「カレー地獄温泉郷」という観光地なんだよ。いろいろ楽しいアトラクションなんかもあるんだよ……ということなんです。読み終わった後で気づいてもらえると嬉しいですね。


カレー地獄商店街

───先ほど、お子さんの話が出ましたが、『カレー地獄旅行』を見せたときの反応はいかがでしたか?

まだ実物を見せていなくて、ダミーの段階でおはなしを読み聞かせしました。そのときは、お姉ちゃんは大爆笑。弟は大号泣でした。

───それは……(笑)、両極端な反応ですね。

好き嫌いの多い息子は、みちひとくんを、我がことのように感じたのかもしれないです。

───普段からお子さんと一緒に絵本を読んだりするのですか?

近所に図書館があったので、一緒に出かけて行って、絵本を選んで帰ってきては、2人によく絵本を読んでいました。今はもう小学校に上がったので、なかなか読む機会は減りましたね。子どもたちとは、『はらぺこあおむし』(作絵/エリック・カール 出版社/偕成社)や「きかんしゃトーマス」シリーズ(作絵/ウィルバード・オードリー 出版社/ポプラ社)などを読んでいました。ぼくは『11ぴきのねこ』(作絵/馬場のぼる 出版社/こぐま社)がお気に入りで、よく読み聞かせをしていました。

───普段、絵を描く時間や場所などは、決まっているのですか?

お客さんの要望に合わせて、外で描くこともありますし、何日も同じ場所に出かけて行って描くこともあります。普段は毎日午前4時ごろに起きて、8時ごろまで集中して制作を行います。日中は会社やアトリエで絵を描く仕事や、打ち合わせをしていることが多いです。

───お家で絵を描かれているということは、お子さんがお父さんのお仕事を常に目にしているんですね。

そういう意味では、今回の『カレー地獄旅行』の過程も、見ていると思いますから、完成した絵本を見せたら、喜んでくれるかもしれません。

大笑いした後に、大切なメッセージが静かに広がる。そんな絵本を作っていきたいです。

───今回、自費出版以外では、はじめての絵本制作ということでしたが、今後も絵本を作り続けていきたいと思いますか?

『カレー地獄旅行』以外にも、おはなしのストックがありますし、新しい物語もどんどん生まれています。なので、これからも絵本を作り続けていきたいと思います。今まで、イラストレーターとして、昭和レトロな雰囲気の作品や、日本の自然や建物を俯瞰的に描いた鳥瞰図など、いろいろなキーワードで仕事をさせていただきました。そういった意味で、日本の面白さをアピールするような作品を作ってみたいと思います。

───『カレー地獄旅行』の中に登場する「カレー地獄温泉郷」にスポットを当てて、新しい作品ができそうですね。今日はいろいろなお話を伺えて、とても楽しかったです。最後に絵本ナビユーザーへ『カレー地獄旅行』のオススメをお願いいたします。

『カレー地獄旅行』は、カレー好きの子はもちろん、地獄を知らない子、食べ物の好き嫌いがある子など、いろいろなお子さんに読んでいただきたい作品です。地獄や鬼のことを知っていて、最初はこわがる子でも、絵をよく見てもらえれば、意外と鬼が面白いことをしていたり、地獄にもへんてこな場所があることを発見してもらえると思います。それと、絵本を描いている、ぼくが子を持つ父親なので、ぜひ、お父さんに楽しんでもらいたいですね。

───たしかに、男の子やお父さんや喜びそうなダジャレやイラストが満載ですね。

そうやってワハハハと、家族で大笑いしてもらって……。でも、読み終わるとふしぎと「食べ物を粗末にしないようにしよう」や「好き嫌いはなくそう」など、ふっと大切な部分が心に残る……、そんな、ばかばかしい中に、教訓的なことが嫌見なく混ぜ込まれているような作品だと思います。

───まさにカレーのスパイスという感じですね。

はい。カレーですからね。やっぱりスパイスが効いていないと、うまみが増さないんです。

───お話を聞いていると、無性にカレーを食べたくなってしまいました(笑)。今日は本当にありがとうございました。

*おまけ*
【読者プレゼント募集要項】
抽選で20名様にオリジナルハンカチプレゼント!!
お弁当包みにも使える40cm角の大きめサイズ

〈応募方法〉
ご購入していただいた本書にはさみ込まれている読者ハガキ、もしくは官製ハガキに、本に巻かれている帯に記載の応募券を切り取って貼り付け、本の感想・住所・お名前・お子様がいらっしゃる方はお子様の年齢と性別をご記入の上、下記宛にお送りください。

〒170-0005 東京都豊島区南大塚2-32-4 パイ インターナショナル
カレーハンカチプレゼント係 行
応募締切: 2017年 6月 30日 必着
※ご当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。

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文・編集/木村春子
写真/所靖子

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ひげラク商店(安楽雅志)(ひげらくしょうてん(あんらくまさし))

  • 1975年鹿児島県生まれ、広島県呉市育ち。愛知大学文学部卒。2000年より、プレジャー企画お絵かき隊の似顔絵師として名古屋を拠点に活動を開始する。鳥瞰図・飲食店の壁画や看板・観光土産など、『ニッポン』をテーマにダイナミックで懐かしさとユーモアに富んだ制作を行っている。作品「名古屋市大鳥瞰図」は名古屋市役所に常設展示中。アメリカでのTシャツ販売やパリでの個展・絵画販売など、海外での活動も広げている。www.pleasure-p.co.jp/higeraku/

作品紹介

カレー地獄旅行
カレー地獄旅行の試し読みができます!
作:ひげラク商店 安楽 雅志
出版社:パイ インターナショナル
全ページためしよみ
年齢別絵本セット