●ぼくが子どものころ好きな絵本を、子どもと楽しんでいます。
───お話を伺って、ニシワキさんがとても楽しみながら、『浦島太郎が語る浦島太郎』を描かれた様子が感じられました。
もし、今後「1人称童話シリーズ」の依頼が来たら、今度はどんな昔話で絵を描いてみたいと思いますか?
そうですね。もしやるとしたら、海外の昔話を担当するのも面白いなと思いました。できれば、「桃太郎」みたいに、ストーリーが決まっているものよりも、「浦島太郎」みたいに、ちょっと余韻のあるようなおはなしだと、自分でもいろいろ想像を膨らませることができるので、面白いと思いますね。
───「1人称童話シリーズ」のコンセプトにもありますが、昔話は、主人公の気持ちなどがほとんど語られずにおはなしが進んでいくので、登場人物の気持ちを想像すると、今までと違った楽しみ方ができそうですね。
絵本を作るときに、本屋さんに行って、ほかの作家さんの絵本をチェックしたことも、あったのでしょうか?
あまりしませんでした。ただ、今うちの子が3歳半なので、子どもと一緒に絵本を楽しむ中で、おはなしのアイディアを考えることも増えました。
───最近、お子さんと読んだ絵本の中で、印象に残っているものはありますか?
ぼくも子どものころに好きだった作品なのですが、『11ぴきのねこ』(作絵:馬場のぼる 出版社:こぐま社)や『だるまちゃんとかみなりちゃん』(作絵:かこさとし 出版社:福音館書店)がうちの子も大好きで、一緒に楽しんでいます。
───ご自身が子どものころに読んだ作品と、大人になって再会できるのは感慨深いですよね。
そうですね。大人になって忘れてしまっていたと思っていたのに、表紙を見ると、自然と思い出したりして、「読んだことある!」という感覚が嬉しかったですね。そういう思わぬ再会が長く読まれている絵本の良さだなぁと思っています。
───今年は、ご自身が作絵を手掛けた絵本も、出版されるんですよね。
はい。『えでみる あいうえおさくぶん』(あかね書房)と『ぼくのともだちカニやまさん』(PHP研究所)の2冊がちょうど発売されました。ぼくは関西在住なのですが、12月に東京で絵本の原画を展示した原画展も開催しています。
───この小さいサイズの原画を目にすることができるんですね! おはなしも自分で考えた絵本を作るのはやはり大変でしたか?
そうですね。普段はイラストをメインに活動しているので、なかなか絵本に集中して時間を割くことが難しくて……。どちらもお声がけいただいてから、3年ほどかかって完成しました。

───ご自身の作品を、お子さんに見せたりしましたか?
はい。先に出版された『えでみる あいうえおさくぶん』は結構シュールな内容なんですが、気に入ったフレーズなどは覚えているようです。
『えでみる あいうえおさくぶん』の中に、「かかってきた けーたいでんわに ごまをふって えい!っという」で「かけごえ」というのがあるのですが、うちの子はそれが好きみたいで、ほかの絵本を読んでいるときに「えい!っという」って何度も言うんですよ。
───それはかわいいですね。
あ、ちょっと、影響されてるなーと嬉しくなりますね。
───お子さんと一緒に絵本を楽しみながら、これからも絵本を作っていきたいと思いますか?
そうですね、おはなしを考えるのも結構楽しかったりするので、ぼくらしいアイディアを考えて、絵本を作っていけたら楽しいと思います。でも、絵本はやはり、子どもが楽しむものなので、ページ構成や、子どもが楽しめるポイントなど、まだまだ勉強していかなければなぁと思う点も多いです。自分の持ち味でもある、シュールな部分が良い感じで表現していけたら嬉しいですね。
───ニシワキさんのイラスト作品からのファンの方、そして、『おのまとぺの本』『浦島太郎が語る浦島太郎』からファンになった方など、こらからのニシワキさんの絵本を待っている方もたくさんいると思います。
ありがとうございます。イラストレーターの仕事は、今までも幅広くはさせてもらってるんですけど、自分の考えたものが「本」という形で世に出るっていうのは、イラストのお仕事とはまた違う嬉しさがあるので、これからも続けていきたいと思います。
───絵本ナビでもニシワキさんの作品を、これからもプッシュしていきたいと思います。今日は、本当にありがとうございました。

●原画展情「ニシワキタダシのえほんのてんじ」

同時期に発売される初めてとなる絵本、『えでみる あいうえおさくぶん』(あかね書房)、『ぼくのともだちカニやまさん』(PHP研究所)の原画の展示。絵本をはじめ、ほかの書籍やグッズなどもいろいろ販売予定です。
日時:2017年12月14日(木)〜12月26日(火)
12:00〜20:00
場所:にじ画廊
東京都武蔵野市吉祥寺本町2-2-10
TEL:0422-21-2177
URL:http://nijigaro.com
取材協力

恵文社 一乗寺店
住所:〒606-8184 京都市左京区一乗寺払殿町10
電話:075-711-5919 / FAX: 075-706-2868
営業時間:10:00 – 21:00(2015年5月11日より)(年末年始を除く)
営業日:年中無休(元日を除く)
URL:http://www.keibunsha-store.com/
取材・文/木村春子
写真/所靖子

※期間内【2017年12月21日から2017年1月17日まで】にご回答いただいた絵本ナビメンバーの方全員に、
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