●「にょろにょろだっこ」「ぱたぱただっこ」
───「こえほん」で大人気の作品になった『だっこ だっこ』。古賀さんはもともと、「だっこだっこ」というテーマをどのように決められたんですか?
古賀:初めから小さい子向けの絵本を作りたいなぁと思っていて、1歳2歳の子にどういう絵本がいいかと考えたときに、言葉を繰り返す絵本が浮かびました。自分が、もともと繰り返す絵本が好きなのもあったんです。「だっこ だっこ」という響きがすごく可愛いのと、子どもの特権のセリフだなと。それから好きな人にしか言わない言葉ですよね。スキンシップが図れるのもいいなと思って、そのフレーズを決めました。
───確かに大人はなかなか言いたくても言えないですね(笑)表紙がだっこしている絵ではなくて両手を広げている男の子なのも、いいですね。思わずだっこしたくなります。あたたかいだっこがたくさん出てきますが、古賀さんご自身も、子どもの頃はだっこ大好きな子だったのかな?なんて。
古賀:そうですね。甘えんぼうな子どもでした。くっついてトイレにも行かせてくれないくらいだったと両親に言われたことがあります。きっとだっこも大好きだったでしょうね。 お話を作るときは、最初に「だっこ だっこ」という言葉を決めて「だっこ だっこ 〜だっこ」という繰り返しのリズムで話を膨らませていったんです。子どもだけじゃなく、動物を出したら面白そうかな・・とか。
───くまが最初に出てきて、「ふかふかだっこ」。男の子をだっこしますよね。その後、ヘビさんや鳥さんが出てきます。へびさんの、「にょろにょろ だっこ」という響き、とっても可愛いですが、へびさんや鳥さんとだっこって斬新ですよね(笑)。いろんな動物が出てきますが、動物のセレクションはどのように決めたんですか?

斬新?!へびさんとのだっこ
声にだすと気持ちいい「にょろにょろだっこ」
古賀:くまさんは最初に思い浮かんで、「だっこしたらふかふかで気持ちいいだろうな」と決めたんですが、その後は同じ感触が続くより、違う感触のだっこにしました。へびのだっこはちょっと気持ち悪いかなと悩んだんですが、ラフの時点でだんだん愛着がわいて違和感を感じなくなりました(笑)。だっこの部分の言葉は、「にょろにょろ」や「ぱたぱた」のように、小さい「ゃ、ゅ、ょ」が入ったり「ぱ」の破裂音が入ったりと、音のバリエーションを考えて作りました。今甥っ子が2歳で、『だっこ だっこ』を読んでくれているんですが、つたない言葉で「だっこ だっこ にょろにょろ だっこ」と、字も読めなくてもセリフのように覚えてくれているみたいです。

───「にょろにょろだっこ」「ぱたぱただっこ」、思わず声に出したくなります。動物のセレクトの基準はだっこの感触だったんですね。謎がとけました(笑)。そして、最後はやっぱりお母さんのだっこ。安心します。
古賀:ずっと動物が続いたので、最後は人間のお母さんがいいなと思いました。最後、実際にこの場面で読みながらお母さんがだっこしてあげたり、だっこのきっかけになればいいなと思います。
───「こえほん」にぴったりの作品ですが、デジタル絵本になることを想定して制作をされていたんですか?
古賀:いえ、コンテスト応募の時点では、デジタル絵本になることは考えていなかったので、純粋に絵本として制作しました。実は私、スマートフォン持っていないくらいで・・・(笑)
───デジタル絵本の作家さんなのに!意外です(笑)。絵は、どのような手法で描かれているんですか?
古賀:もともとデザイン会社で働いてイラストも手がけていたんですが、そのときから、アナログで描いたものを最終的にデジタルで完成させるというやり方が多いです。今回も線画と水彩の色の部分を別々で描いて、後で合わせています。
※原画となる素材の絵を見せていただきました!

ほほえましい動物の親子の「だっこだっこ」
表紙の男の子とお母さんとのだっこの素材も
───わー!かわいい!色がきれいですね。元の手法がアナログだからでしょうか、デジタル絵本の中でも、この水彩のあたたかい優しい感じが目立ちますよね。

色の部分は別に描かれていたんですね
ぬくもりのあるイラストにほっこり









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