●「展覧会でレオ・レオニのバックグラウンドを知って、さらに魅力が増すと思います」
───カナガキさんにとって、レオ・レオニ作品の魅力ってどんなところだと思いますか?
以前、絵本ナビのオススメコメントを書くときに、作品の魅力を解説しようとしたことがあったんです。でも、レオ・レオニ作品は説明がとても難しかったんですよね。『スイミー』にしても、「なかまを大切に!」と言ってしまえば間違いではないのですが、ちょっと違う感じもして…。どの作品もいろんな捉え方ができて、解釈の余地・余白が残されていることが、作品の魅力だと思います。
───確かに、今おはなしを伺っていても、いろんな感じ方がありますよね。
それとやはり、キャラクターの魅力だと思います。レオ・レオニ作品に出てくるのは動物だけなんですよ。人間じゃないことで、子ども達はより感情移入しやすいんだと思います。

───どの動物にも、独特の愛嬌がありますよね。
そうなんです。動物たちのいる世界がとても身近に感じられるのも、すごく不思議なんですけど、レオ・レオニ作品ならではなんですよね。それと、絵本がいろんな手法を使って描かれていて、ビジュアルがとても美しいのも魅力だと思います。
───切り紙やコラージュ、色鉛筆によるドローイングからゴム版スタンプなど、本当に多彩ですよね。
廣川:レオ・レオニ自身は「ストーリーにもっともふさわしい手法を使おうと努めている」と語っていますが、グラフィックデザイナーや彫刻家としても活躍したレオ・レオニだからこそできた手法だと思うんです。実際に絵本の原画を見ることで、レオニの用いた多様な技法をぜひ実感していただければと思います。
───今回の「レオ・レオニ 絵本のしごと」展では、その多彩な絵本原画が展示されるわけですが、カナガキさんはどのように楽しみたいですか?
僕は絵本でレオ・レオニに出会ったのですが、今回の展覧会でレオ・レオニのバックグラウンドを知ることで、また作品の見方が変わるのではないかと思い、とても楽しみにしています。是非、娘と一緒に見に行きたいですし、ひとりでも多くの方に、レオ・レオニの魅力を知ってもらえたら嬉しいです。
───廣川さんはお客様にどのように楽しんでいただきたいですか?

廣川:今回の展覧会は、レオ・レオニ生誕100年を記念して開催されます。会場では、絵本原画約100点とともに、幻想の植物群を描いた「平行植物」シリーズ、メキシコへの旅の体験を基に描いた「仮面」シリーズなど、油彩や版画、彫刻、資料約30点を出品し、4つのテーマにわけて、レオ・レオニの「絵本のしごと」を紹介します。
その他、映像で『スイミー』の世界を体験できる展示や、オリジナルグッズ、カタログなどの販売コーナーも充実。レオ・レオニの世界を十二分に堪能していただけると思いますので、是非お越しください。
●「レオ・レオニ 絵本のしごと」展覧会情報

●レオ・レオニ 絵本のしごと 開催記念レビューコンテスト開催!