絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  「レオ・レオニ 絵本のしごと」開催記念!カナガキ事務局長、廣川暁生さんに聞く、レオ・レオニの魅力

おんがくねずみ ジェラルディン―はじめておんがくをきいたねずみのはなし
作:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社

はじめて おんがくを きいた ねずみの はなし。ねずみのジェラルディンが大きなチーズを見付け、美味しいので友達を集めチーズを噛み取ってあげました。するとチーズからねずみの形が現れ、その唇にフルートが・・・

うちの娘が好きな作品なんです。以前、『幸せの絵本 〜家族の絆編〜』でセレクトする絵本を悩んでいたとき、娘に「レオ・レオニ作品でどれが好き?」と聞いたんです。僕自身は『アレクサンダとぜんまいねずみ』を選ぼうかと思っていたんですが、娘に「私ならジェラルディン!」って言われて、え?って思ったんです。「どうして?」って聞いたら、「だって、チーズの中から音楽が出てくるんだよ!」と熱弁してくれたのですが、僕には良く分からなくて…。娘は音楽を習っていたこともあって、この作品に深く共感したんだと思います。


───レオ・レオニ自身も趣味としてアコーディオンやフラメンコ・ギターを演奏していたそうなので、音楽という点で娘さんとフィーリングがあったんですね。

いろいろ1ねん
作・絵:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:あすなろ書房

一本の木とふたごの子ネズミがともに過ごす一年間。訪れる季節の変化とそこで育まれる温かな友情を描いたレオーニ後期の名作絵本。

───これはレオ・レオニ作品の中でも珍しい、縦長の絵本ですよね。この絵本にはどのような思い出がありますか?

娘と2人で一番沢山読んだ絵本なんです。主人公が木なんですよ。しかも言葉を話す!それだけで魅力がグッと増しますよね。娘のお気に入りページは5月の花が咲いている場面と9月の実りの場面。そして、8月のおやすみの月。8月は今まで出ていたねずみが2匹とも登場せず、木のウッディだけなんです。「そんなのもありなんだー!」と。レオ・レオニの遊び心にやられた!と思いますね。

───レオ・レオニ作品の中で一番沢山読んだ絵本ということですが、カナガキさんはどんなときに娘さんと絵本を読むんですか?

うちは夜寝る前以外にも、日常のいろんな場面で絵本を読みました。でも、『いろいろ1ねん』は、寝る前に持ってくることが一番多かった絵本ですね。1月に出会って、春が来て、花が咲き、実がなり、葉が落ちて、冬が来る。12月になって「もうすぐ また、あたらしい 1ねんが、はじまる」というラストの一文を読むとふっと落ち着く。当時の娘にとってリラックスできる絵本だったんだと思います。

 『うさぎを つくろう』(好学社)

(カナガキ)
これも娘が大好きな作品。とくに「ほんものだ!」というセリフが好きみたいでした。大人はメッセージ性や教訓を感じがちだけど、子どもにとってはそんなのは関係なく、うさぎと一緒に「本物のにんじん」を心から喜んでいるように感じました。

コーネリアス』(好学社)

(カナガキ)
生まれつき立つことができたというコーネリアスの気負わないところが魅力ですよね。みんなとは違う景色が見える、ってことが、周りのみんなにもたらす影響を考えさせられる作品。はじめて読んだとき、ベンチャー系の方々が共感しそうだな〜と思ったことを覚えています。

はまべには いしが いっぱい』(好学社)

(カナガキ)
レオ・レオニ作品の中でも珍しい、モノクロの絵本です。鉛筆画がとてもリアルで繊細で、空想と現実の境目があいまいになる感覚がとても好きな作品です。


平行植物』(工作舎)

(カナガキ)
レオ・レオニの中でも特に“異質”な博物誌。もっともらしく描かれている植物の生態や発見についての記述が全てレオニの幻想だということにただただ圧倒されます。絵本とまた全然違う、レオ・レオニに出会いたい方にオススメです。

(廣川)
幼い頃、ガラスの飼育箱の中に空想の庭を作って遊んでいたというレオニの想像の世界の原点ともいえるのが、このシリーズです。今回の展覧会では、平行植物の彫刻作品もあり、レオニの「自然を模したミニチュア世界」を立体作品でも楽しむことができます。


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カナガキ事務局長(金柿秀幸)

  • 1968年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。
    大手シンクタンクにて、システムエンジニアとして民間企業の業務改革と情報システム構築を推進。その後、総合企画部調査役として経営企画に従事する。
    2001年、愛娘の誕生にあわせて退職。約半年間、子育てに専念した後、株式会社絵本ナビを設立し、代表取締役社長に就任。
    娘との絵本ライフで出会ったレオ・レオニの作品に魅せられ、レオ・レオニ大使を自称する大ファン。
    今回の記事では、読者代表として、親子で楽しんだレオニ作品の魅力について語る。

作品紹介

フレデリック―ちょっとかわったのねずみのはなし
作:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社
じぶんだけの いろ―いろいろさがしたカメレオンのはなし
作:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社
いろいろ1ねん
作・絵:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:あすなろ書房
うさぎを つくろう―ほんものになったうさぎのはなし
作:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社
コーネリアス―たってあるいたわにのはなし
作:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社
はまべには いしが いっぱい
作:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社
平行植物
著者:レオ・レオーニ
訳:宮本 淳
出版社:工作舎
スイミー ―ちいさなかしこいさかなのはなし
作:レオ・レオニ
訳:谷川 俊太郎
出版社:好学社
あおくんときいろちゃん
作:レオ・レオーニ
訳:藤田 圭雄
出版社:至光社
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