●デザイン科から彫金科、そして絵本へ
───装丁が素敵! いつもはページをめくるとカラフルな色が目に飛び込んでくるんですが、今回は2色の挿絵ですね。モノクロの絵に、アクセント色が1色入っています。土屋さんの2色の絵は、はじめて見るような・・・・。

ページの隅々にも遊び心が満載!
自作の絵本で、モノクロの絵ははじめてです。やってみたら意外と自分に合っているなと思いました。
───ガイコツの目の中にページ数が入っているのは、土屋さんのアイディア?
はい。でもガイコツの目の中にぴったり数字を置くのは手間がかかったみたいで、申し訳なかったなと・・・。
───見返しにガイコツが並んでいますが、一体だけ色がブルー。これがモン太くんの親友の「ガイコツくん」ですね?
そうです。たくさんガイコツがいて見分けがつかないけど、モン太くんには親友がすぐわかるというエピソードがお話の中にあるので、ガイコツを並べてみました。カバーをはがした表紙もガイコツ柄なんですよ。
カバーをとると・・・。
一体だけブルーの「ガイコツくん」
───本当ですね。カラフルなカバーをとると、中の表紙が落ち着いた緑色なのもかっこいい!
土屋さんはデザイナーのお仕事もなさるんですか?

いいえ、デザイナーさんはちゃんといらっしゃるので、あまりあれこれお願いするのも申し訳ないなと思っているんですが、グラフィックデザインが好きで、つい細かいところが気になっちゃうんですよ。
実は多摩美術大学のデザイン科に一年いたんですが、デザイン科は合わなかった・・・(笑)。
当時はポスターカラーで彩色するんですよね。こなさなきゃいけない課題がものすごく多くて、毎週一度は徹夜する生活。それなのに均一に塗る、いわゆる「ベタ塗り」がどうしても苦手で、デザインのおもしろさにたどり着く前に挫折しました。
今だったら、パソコンの塗りつぶし機能でぱっと彩色できますから、挫折せずにすんだかもしれませんけど。
───そうだったんですか! その後、別の大学の彫金科に進まれて。彫金は合っていましたか?
───では、絵本はいつ頃からやってみようと思われたんですか。
●旅好き、音楽好き

───土屋さんが描くお話は、どうしようどうしよう、という子どものドキドキや葛藤がテーマになることが多いですが、お話自体が明るくて、カラッとしていますよね。
トイレを探しに行くこと。つみきを高く高く積み上げていくこと。おつかいに行くこと。大人になるとさりげない日常だけど、子どもにとってみたら大仕事。だから不安も大きく、でも好奇心も強くて。
土屋さんご自身のプロフィールを見ると、「好きなもの」がたくさん書いてありますね。世界各地を飛び回っていらっしゃるのかなあ、「ドキドキ」と「好奇心」が作品に何かパワーを与えているのかな、と共通点を探してしまいます。

旅は好きです。先日、フィリピンのパラワン諸島に行きました。ずっと前から、パラワン諸島のエルニドという場所の美しい写真を見て、行きたいなあと思っていました。ここ数年治安がよくなったと聞いて、思いきって行ってみました。無人島や、海をくぐっていかないとたどりつけないプライベートビーチや、海にそびえる奇岩が見応えがありました。自分の中の冒険魂、探検魂がリフレッシュされました。
───『よりみちエレベーター』ではハワイが登場しますが(笑)、旅行が作品に影響することはありますか。
───「好きなものは、エレキギターの音、シタールの音、ボサノバ、ジミ・ヘンドリックス・・・」他にもたくさん書いてありますが(笑)、音楽もお好きなんですね。
「モン太くんのグラグラな日」ではガイコツダンサーズの歌「グラグラ ロケンロール」が登場します!
ご自分で歌を作って楽しむことはありますか?
───ほかに印象的な旅はありますか。
───「モン太くんのグラグラな日」にも、絵本の他の作品にも、恐竜が出てきますね。恐竜、好きですか?
好きですね(笑)。

腕輪に大きなキーホルダー!
───ふだんはどのように過ごしていますか。
家ではリラックスしています。都内はだいたい自転車で行きます。ちょっと遠いところはスクーターです。鍵を、大きなキーホルダーで体のどこかにぶら下げていないと、すぐあっちこっちに忘れてきてしまうんです。
───電車を待ったりせずに、自由に動き回っていらっしゃるんですね(笑)。