───文章を書いているときに、絵本の文章のプロセスについて発見はありましたか?
川村:たくさんありました。最も強く感じたのは、絵本は親子や先生と生徒など、2人以上で1つの作品に向き合うものだということ。読み手の読み方でいくらでもニュアンスが変わるんですよね。どんな人が読んでも面白くなるように作りたいと思ったので、「ばいんばいん」や「ふうわふうわ」など面白く読めるオノマトペを工夫して、読んで伝えるプロセスをすごく考えました。
───絵を描くときに気づいたことなどの発見はどんなものがありましたか?

このつぶらな瞳の可愛さ・・・
川村:ぼくは特に、ティニー達が地上に降りていくときの空の色の変化が好きです。あそこは、1枚の絵で表現することもできたページですがコマ割のようにして、動きを表している。物語がラストに向かう感動的な演出だと思います。
●物語だけではない、たくさんの要素を絵本に散りばめています!
───絵本ナビのユーザーにだけ教える、『ティニー ふうせんいぬの ものがたり』のみどころを伺えますか?

川村:子どもは絵本を何度も読み返しますよね。毎回毎回新しい発見があった方が楽しめると思うし、絵本を囲んで親子でコミュニケーションが取れると思うんです。大人はなかなか気づかないけれど、子どもはカバーをめくったところに隠れているティニーや、見返しの部分の風船が最初と最後で少し変わっていることをすぐに見つけるんですよね。そういう細かいところを佐野さんと一緒に考えて、たくさん絵本の中に散りばめました。
佐野:ぼくと川村さんがどんなに一生懸命工夫しても、子どもはぼくたちが思いもつかなかいような発想をしてくれるんです。例えば、初回限定版にシールを付けているんですが、子どもはこれを表紙に貼って遊ぶんですよ、…そういう発想はなかったぞ…と子どもの楽しい事への探究心に驚かされましたね。
───『ティニー ふうせんいぬのものがたり』が発売されたばかりですが、今後、絵本を作られる予定など、すでに決まっているものはありますか?
川村:絵を先に描いてもらって、その後にぼくが文章をつける。『もこ もこもこ』(作: 谷川 俊太郎 絵: 元永 定正 出版社: 文研出版)みたいな作品を作りたいです!
佐野:『もこもこもこ』はすごいですよね。何度読んでも子どもは大爆笑。『ティニー』を作ってぼくも色んなアイディアが湧いてきたので、新しい絵本にもどんどん挑戦していきたいです。
川村:ぼくが好きな谷川俊太郎さんや和田誠さんなどは、いろんなジャンルの絵本を作られているんですよ。ぼくたちもそこにチャレンジしてみたいですね。
───まだまだ絵本への探求は続きそうですね。お二人の新しい作品を、楽しみにしています!
今日は本当にありがとうございました。