●シゲタ サヤカ流・子どもの頃に出会った絵本
─── 食べるのが好きで、短大の家政科に通ったと伺いましたが、小さいころから食べるのが好きだったんですか?
はい。それもやはり調理より見た目の美しさとか、美味しさの部分が好きだったんです。
小さいころ、「ぼくは王さま」シリーズ(寺村輝夫/文、和歌山静子/絵)のレストランの話がすごく好きだったんですよ。食べ物好きのルーツはそこかなって思ってます。
─── なるほど〜!確かに凄く大胆なんだけど、不思議とおいしそうな感じのタッチが、和歌山静子さんの絵に似てます!
「ぼくは王さま」シリーズ以外に、子どものころに好きだった絵本は何ですか?
せなけいこさんは今でも大好きな作家さんです。子どもの頃は『ねないこだれだ』と『にんじん』が一番でしたね。あと、作家名を知らないで好きだったのが、スズキコージさんと飯野和好さん。お2人とも童話の挿絵を描いていて、それが本当に素敵だったんです。飯野さんは今の様な和風じゃなく、髪の毛がもじゃもじゃで、かなりモダンな絵を描かれていたんですけど、子ども心にそれが笑いのツボでした。
●シゲタ サヤカ流・キャラクターの作り方
─── 甘えん坊のまな板や、キャベツが食べたくてたまらないチョウなど、シゲタさんの描くキャラクターは独自路線というか、突き抜けてますよね(笑)。そういったキャラクターはどのように思いつくんですか?
『まないたにりょうりをあげないこと』のときは、最初に「コックさんはどうお願いされたらまな板に料理をあげたくなるかな…」と考えたんですよ。それで、「きっと、甘えられたらあげたくなっちゃうな」と思って、甘えん坊に設定したんです。
『キャベツがたべたいのです』ではチョウチョになりきって考えたとき、「さなぎでずっと眠っていて、ある日目が覚めて口がストローになってたら…驚くだろう!」って思ったところからですね。
─── その発想がもう、おかしいですよね(笑)。
好き嫌いの激しい鍋はどうですか?
『りょうりをしてはいけないなべ』で一番描きたかったのは、怒られているのに全然反省していない鍋の表情なんです。
実際に身近な人でいたらすごくイヤだと思うけど、絵本の世界だとお話になるなぁ…って。
オニもかなりへこたれないキャラだと思うんですよね。
─── 確かに、人間に逃げられて、帰り道はすごい切ないのに、次の場面でこのだらしないポーズを見ちゃったら、全然応えてないんだって思いますね。おなか膨れちゃってるし…。個人的には、そういう部分がすきなんですけど(笑)。
それでは、最後に最新作『オニじゃないよ おにぎりだよ』の見所をお願いします。
一番は、オニのだらしなさですね〜(笑)。それとおにぎり。
あとは読み終わった後におにぎりを作って食べたり、カバーを切って遊んだり、色々楽しんでもらえたら嬉しいです。
─── ありがとうございました!