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絵本ナビホーム  >  スペシャルコンテンツ  >  インタビュー  >  シゲタ サヤカさん

シゲタ サヤカ流・絵本作家への道

─── 「まな板」「鍋」「コック帽」「キャベツ」ときて、今回の「おにぎり」…。一貫して食べ物の絵本を描かれていますが理由があるのですか?

どうしてなのか、お話を考えようとすると、食べ物の話ばかりが思い浮かぶんです(笑)。
私自身、食べることが大好きで、高校卒業後に「美味しいものが食べられそうだから」という理由で調理などを学べる家政学科のある短大に行ったんです。でも、もともとの目的が「食べること」だから、学校ではずっと落ちこぼれグループで…。
卒業しても料理の道には進まず、普通に印刷会社に入社したんですね。
そこで、印刷物にカット集から選んだイラストを入れる作業があったんですが、私は勝手に自分でイラストを描いて入れたりしていて…。
その辺りから、絵を描くことを仕事にしたいと思うようになったんです。

─── そのときから絵本をやりたいと思っていたんですか?

そのときは絵本とは考えていなくて、「イラストの仕事に就きたい」と思っていました。
ただ、イラストレーターになるための基礎知識が全くなかったので、まずは学校に通おうと思って、「パレットクラブスクール」の広告を手にしたんです。そうしたら絵本コースというのがあって、講師名に長 新太さんやスズキ コージさん、飯野 和好さんという錚々たる方々の名前があったんです!

─── いきなり凄い方達に出会ったんですね。

そうですね。それで絵本コースを受講し、すっかり絵本の世界に引き込まれてしまいました。

─── 絵本の描き方はその授業で学んだんですか?

パレットクラブスクールは実践で学ぶより、先生が話してくれる講義がメインだったんで、おはなし作りのトレーニングは独学でやっていました。
ちょうど卒業してすぐに、インターネットで読める “WEB絵本”の仕事をさせてもらっていたんですが、そのプロデューサーの方から「話が弱くて、絵だけじゃ勝負できない。話を作る練習のために四コママンガを描いてみなさい」って言われたんです。

─── 四コママンガですか?

私も最初「マンガ?」って思ったんですが、その方から「四コママンガには、物語を作るうえで一番大事な起承転結の全部が詰まっているから」って言われて…。それからしばらくは何作かできると、その人のところに持って行って見てもらいました。
行くと目の前で「面白いもの」と「面白くないもの」に分けられていくんです。

─── すごい…スパルタですね。

最初はどういう基準で分けられているか、全然分からなかったんですけど、何度も持っていくうちにするとダメなものが何故ダメなのかが分かってきて…、今の自分の力になっているなと感じます。
あと、編集者の松田素子さんがご自宅で開いている、絵本作家になりたい人に向けたワークショップにも参加しました。
松田素子さんからも最初は「お話の土台がしっかりしていない」って何度も言われました。その頃はストーリーが未完成なうちから、描きたい料理の絵を細かく描いたりしていたんですけど、「これじゃ、お家の土台がぐらっぐらなのに、カーテンどんな柄にしよう?って言っている人だよ」って言われたりしました。

─── 絵本作家としてデビューされる前に、色んなところに参加して、知識を吸収したんですね。

そうですね。それがきちんと吸収されているかを確認する場が、私にとっては絵本コンペでした。色んなところに応募したんですが、なかなか入選することはできなくて…。「講談社絵本新人賞」ではじめて佳作に選ばれたときは本当に嬉しかったです!

─── 入選してからすぐ出版につながったんですか?

いえ…、講談社さんは基本的に大賞を受賞しないと出版はできないんですよ。私は、1回目の佳作の後も2年間続けて応募したんですが、結局佳作止まりでした…。でも、3回目に佳作をとったとき、連絡をくれた編集さんから「もう3度目になるし、出版も踏まえて打ち合わせを…」って言われて、「え!」って。

─── すごい!3度目の正直ですね!

その時は、「金のエンゼルと銀のエンゼルみたい」って思ったのですが、講談社さんの粋な計らいで出版することが決まりました(笑)。

─── それがデビュー作の『まないたにりょうりをあげないこと』(講談社)ですね!
応募したときの作品と、発売された絵本では、内容に違いはあるんですか?

お話の大筋は変わっていないんですが、構図や文章の量などに手を加えて、全く新しい作品になりました。
応募作では、コックさんが全員同じ髪型だったんですよ…(笑)。デビュー作の担当者さんには、出版を踏まえる基礎を色々教えてもらいました。

─── そしてやっぱり、白目なんですね(笑)。

そうなんです。どうしてだか分からないんですが、白目の方がキャラクターの特徴が出せる気がして…。
デビューのときも一番最初に聞かれたことが「白目でいくんですか?」でした…(笑)。

─── 白目について、周りの方から何か言われたことはありますか?

いろんな方に「目を入れなさい」って言われました…。
あと、子どもが泣いてしまうという話もたまに聞くんですが、その後に「怖いもの見たさで、何度も読んでました」という話も聞くので、「良かったぁ」って安心しています。

─── み〜んな白目なのに、すごく表情が豊かで、憎めない可愛いさがあるんですよね!

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子どもの心に寄り添う絵本 レビューコンテスト

シゲタ サヤカ(しげた さやか)

  • 1979年生まれ。
    短大卒業後、印刷会社勤務を経て、パレットクラブスクールで絵本製作を学ぶ。
    第28〜30回講談社絵本新人賞で佳作を3年連続授賞する。
    2009年、第30回佳作受賞作『まないたにりょうりをあげないこと』(講談社)で絵本作家デビュー。
    絵本作品に『りょうりをしてはいけないなべ』『コックのぼうしはしっている』(共に講談社)、『キャベツがたべたいのです』(教育画劇)、『オニじゃないよ おにぎりだよ』(えほんの杜)。

作品紹介

オニじゃないよ おにぎりだよ
作:シゲタ サヤカ
出版社:えほんの杜
まないたにりょうりをあげないこと
作:シゲタ サヤカ
出版社:講談社
りょうりをしてはいけないなべ
作:シゲタ サヤカ
出版社:講談社
コックの ぼうしは しっている
作:シゲタ サヤカ
出版社:講談社
キャベツがたべたいのです
作:シゲタ サヤカ
出版社:教育画劇


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