
何度読んでも泣けます

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今回ご紹介する作品は…?
★★★★★
なおひろままさん 40代・ママ 男の子9歳、男の子2歳
幼少期より両親の離婚で祖母に育てられました。
とても厳しい祖母でした。
ある日、祖母は腰骨の圧迫骨折により寝たきりになり、ガンになり、認知症を発症し、苦しんで、苦しんで亡くなりました。
世界で一番大好きな祖母でした。
祖母が亡くなったとき、私ははじめての子を妊娠中で、毎日のように泣きました。
心に大きな穴が開いて、ふさぎようのない悲しみに陥りました。
苦労して私を育ててくれたばあちゃんに、私は何の恩返しもできなかった。
それは9年経った今も同じ思いです。
だけど この絵本に出会って、ああ、そうか...と、救われたような気持ちになりました。
私もこのあかりのように、たった一人でもいい、誰かの心をそっと温められる人間になりたい。
大きな仕事を終えたあかりは、まるで祖母のように見えました。
この絵本に出会えて本当によかった。
一生大切にしていきたい一冊です。
「あかり」
文:林 木林
絵:岡田 千晶
出版社:光村教育図書
一本のろうそくがともすやさしいあかりは、少女の心のよりどころだった。
やがて少女は大人になり、ろうそくは木箱の中で長い時間を過ごすようになり・・・。
詩情あふれる文章と美しく幻想的なイラストで描く感動作。
「うまれて はじめて てらしたのは、うまれて まもない あかちゃんと、しあわせそうに わらっている かぞく。 オレンジいろの 小さな火が、くらいへやを いっしょうけんめい あかるくします」
女の子が生まれたとき、ろうそくは初めて火を灯されました。
それからは、いつも大切な時間に、家族はろうそくに火を灯しました。ろうそくは、家族の幸せな時間を照らし、女の子がつらいときにはよりそうあかりになり、その小さな火で女の子と家族を見守り続けたのです。思い出の数が増えるごとに、ろうそくは溶けて小さくなっていきました。
やがて女の子が大人になると、今度は女の子の新しい家族を照らしました。しかし時の流れとともに、ろうそくは使われることがなくなっていきます。
暗闇に灯るやさしいろうそくの光。ちらちら揺れる炎の動きは、語りかけると首をふったり、うなづいてくれているよう。女の子にとってろうそくは、いつも心強い味方でした。ろうそくに照らされた女の子の顔は、どの時代も柔らかなオレンジ色に包まれ、幸せそうです。
女の子の時間を照らしてきたろうそくの光は、いつしか、いのちの灯りと重なっていき・・・。
ぬくもりのある絵と叙情的な言葉が、優しく心に触れる、ろうそくのあかりのように心に灯る一冊です。
大人の方にもおすすめしたい絵本です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)