マーガレットはサンタクロースに憧れる女の子。
クリスマスになると、近所の人達にささやかなプレゼントを配ります。
ところがなかなかちゃんと喜んでもらえなくて、少し悲しくなってしまうのです。
でも、今年のクリスマスはちょっと違います。
何と言っても「本物のサンタクロース」になれると言うではありませんか!
さんかく帽子をかぶり、小さな小さなクルミ割り人形に連れられて、大きくて真っ白な鳥に乗り、
3色のプレゼントの入った包みを持って・・・さてどんな素敵な夜が待っているのでしょう。
少女の小さな願いや切ない思い、そして揺れ動く気持ちなどが繊細で丁寧に描かれている本作品。
(音が聞こえてきそうな)美しく静かな白い色彩の世界と、
小さなものが本当に小さく描かれ、また思っている以上に大きく描かれるもの、
マーガレットの心を映すかのようなその不思議な感覚がこの物語をより幻想的な世界にしています。
そして最後には周りの大人達の優しさがマーガレットを包み込み・・・温かく愛おしい気持ちにさせてくれます。
気持ちが伝わる事の喜び、子ども達だってちゃんと感じているのですね。
クリスマス時期でなくても味わう事をおすすめしたい一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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