小学校高学年向けだというノンフィクション。息子が選んだ1冊です。
戦争の悲惨さというと、広島、長崎であったり東京であったり、扱われる場所がある程度限定されるように思うのですが、戦時下の東海地方を題材にしているところからして自分にとっても初めて知る事ばかりでした。
中学になる少女たちは、動員という名のもとに中島飛行機の工場で飛行機作りを仕事とすることになります。それも「国のため」という信念で厳しい生活を乗り越えていきます。
働いている時に起こった東南海大地震。軍需のため多くの鉄骨を抜いた工場の倒壊で多くの犠牲者が出ます。
そして、その後の空襲。
戦時中という状況の中で、事実は機密事項とされ封印されて終戦をむかえる。
自分と同じ年齢、これから向かう青春にこの事実を重ねると痛々しい思いになるようです。何事も受け入れるしかなかった当時。
このことを理解するのは難しそうですが。
私も「戦争をしらない子供たち」の一人ですが、いかに歴史を伝えるかということに心を痛めます。
この本に扱われた中島飛行機。
戦時中のこのような犠牲を持ちながら、戦後の日本を支える大企業となっています。
ノンフィクションは、書かれていることをまずは読んで、仮想体験してみることから始まると思います。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子12歳)
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