まん丸眼鏡のふしぎ先生、再登場。図書室の秘密の扉から始まる大騒動、キテレツ運動会に危機一髪の遠足、そして美しいクリスマス・ストーリーまで、まさにお話のフルコース!
いくら良質の本であっても、
シリーズを重ねるにつれ、その良さがグ〜ンと半減してしまう作品がよくありますが、
この「菜の子先生」シリーズは違いました!
第2巻・2学期バージョンも面白かったです。
編集部が作った新聞も健在でした。(楽しかったです)
1巻の感想の方では、菜の子先生の性質や面白さだけを書いてしまいましたが、このシリーズの面白さはもう1つあります。
1冊の中にだいたい4つくらいのお話が入っているのですが、
その一つ一つに、昔話や有名な物語の逸話がねり込まれているのです。
たとえばこの2巻でいうと、
『図書室の秘密の扉』は昔話の代表格「さるかに合戦(化にむかし」「桃太郎」「ブレーメンの音楽隊」「赤ずきんちゃん」「三びきのこぶた」。
『秋晴れのキテレツ運動会』には「うりこひめ」。
『住所のない美容室』には「おんば皮」(これに似た話は、他の題になっている昔話もあったかもしれませんが、いま思い出せません)。
『校長先生のクリスマス・イブ』は、しいていうと「マッチ売りの少女」かな?
作品の中に出てくる元のお話を知っていると、菜の子先生のお話はさらに面白くなると思うので、菜の子先生シリーズの中で知らないお話があったら、ぜひあとでそのお話も探して読んでほしいと思います。
例えば、「おんば皮」ね!
なんで、菜の子先生が針を持たせたか、よくわかりますよ〜。
ただ、「サンタクロース」の話を使う物語にはちょっと考えてしまうものがあります。
この話の中で、菜の子先生は「サンタ」を肯定も否定もしていなかったけれど、尾ノ上さんのクラスの子どもたちは全否定でした。
そのシーンを読んだ子どもたちが、もしもとても「サンタ」を信じていたなら、たとえ菜の子先生が否定しなくても、多かれ少なかれショックだと思うんです。
というのは、我が家ではまだ「サンタクロース」は存在しているので。
プレゼントをくれるとか、くれないとかではなくて、
北欧の国には「サンタ村があって、子ども達の夢をかなえるために、サンタ試験に合格したサンタたちが日々、子ども達のためにいろいろしてくれているんです。日本にも招待されると来日してくれるんですよ。
日本人でサンタ認定を受けた方もいますしね。
我が家ではこのことを強調してきたので、サンタはいるんです。
なので、このクラス会議のようなシーンは、出来ればもっと別の形で表現してほしかったな。と、思いました。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子14歳、女の子9歳)
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