およそ40の国や地域の台所や食事をする場所を紹介する写真絵本。現地に長期滞在する旅行家が、実際に体験。
システムキッチン、というものがあちこちに見られて、どこも同じようになってきているのかと感じられる写真が多かったが、その土地ならではのものや、どうしてもこれだけは譲れないこだわりの道具類などの写真もあった。インターネットの普及や社会情勢の変化などで、どんどん地域の特徴が失われていく気がしていたが、きっちり残っていくものもあるようだ。
印象的だったのは、「タイは外食の習慣が根付いているので、台所がない家もある」という話。タイといっても広いので、一部の地域のことだとは思うが、外食する方が安上がりでおいしい、便利だという。仕事が忙しいというのもあるのだろう。料理が大好きな私にとっては、ちょっとつまらない気もする。
暑い地域では、野外で料理して、屋根がついていて風通しのよい場所でみんなで床に座って食べるような恰好が多いようだ。
うちも祖父母の時代は、かまどは家の外にあって、農作業の合間の食事は外で済ますことが多かった。開放的で、おいしく感じられたのを思い出した。
人類が住む一番寒冷な土地や、宇宙飛行士、南極など、珍しい場所も紹介され、あちこち旅行して歩いた気分になって楽しい。
韓国では器を持ち上げてはいけないルールがあるとか、食事のマナーも地域ごとに違っていることもわかり、楽しくて勉強になった。この本を作った人は、いろんな場所に行けて、たくさんの体験ができて素敵な人生だ。ぜひとももっといろいろみんなにシェアして欲しい。