表紙の深い藍色に魅せられて手に取りました。
テキストも読みやすく、ページをめくるごとに私の心のなかに宇宙が広がっていくような気がしました。
私が育ったところでは今でも降るような星が見えます。天の川も白い乳清をこぼしたようですし、肉眼でも星の輝きの強弱が見えるのです。
ですから、この本を開くたびに故郷の、あの夜空を思い出します。
同時に、宇宙のなかでは、こんなにちっぽけな自分だけど、一生懸命暮らしていることや、誰もが同じように、この星空の下でそれぞれの命を燃やしていることを思い出させてくれます。すると、心が尖っているときも、少しだけ優しい気持ちになります。自分の小ささを認めると、他の人から受ける怒りや悲しみにも寛容になれる気がするのです。
星空が、幼い頃の素直な私に戻してくれる風景だとしたら、この絵本は私を原子に戻してくれるのかもしれません。
小さな子どもさんには難しい言葉も出てきますので、下限はあるでしょうが、年齢上限のない本ではないでしょうか。
可能なら、世界中の人々に見てもらいたい・・・。