ダヤンの親友の(ウサギの)マーシィの、お父さんを描いたエピソードです。
マーシィの母親は評判の働き者で、父親はギャンブル好きの放蕩者。沢山の妹や弟達の面倒をよく見るマーシィ。
結末の衝撃は子供向きの絵本ではあってはならないような(!)やるせない展開なんですが、私はとても気に入りました。
絵本は子供に夢を与えてくれる物で、私もそれを期待して絵本を購入しますが、こういう形で世の中の現実を子供に伝えるのもまた、それはそれで意義のあることだと感じました。
この絵本のストーリーは子供にとっては非常にシビアでシニカルなものになっています。でも、世の中には模範的なよい親ばかりではないのが現実です。公立の小学校へ行けば、地域によっては、様々な形態と事情を持つ家庭の子供がいるでしょう。
私の人生でも、このマーシィのお父さんのような放蕩者は幾人か身近に目にしました。
でも、ダヤンシリーズなので、そういう現実でも世界観にユーモアと愛と救いがあって、マーシィがこの先逞しく育っていくのが想像出来ます。
大人向けと捉えられる本かもしれませんが、私は子供にも世の中を少しずつ教えていくのに読み聞かせたい一冊です。