「はやく、誰かが自分をうちにつれていってくれないかなあ」
大きなデパートのおもちゃ売り場に並んでいるぬいぐるみや人形は、みんなそう思っています。くまのコールテンくんもそう。でも、緑色のズボンをはいた小さなくまのこを買っていこうとする人はなかなかいません。
そんなある日、コールテンくんは自分のボタンが片方とれていることに気がつきます。そして夜になると、デパートの中を探しに出かけるのです。初めてのエスカレーターや家具売り場。大きなベッドに警備員さん……。 結局ボタンは見つからなかったのだけれど、次の日の朝、コールテンくんのところに女の子がまっすぐやってきます。昨日もやってきたあの子です!
好奇心旺盛なくまのコールテン君と、彼を一目で好きになり、自分のおこずかいをはたいて買いに来た女の子との心のふれあいを描く、アメリカ生まれの傑作絵本。
「ぼく、ずっと前から家で暮らしたいなあって思ってたんだ」
コールテンくんの素直な言葉の一つ一つやその表情や行動、どれもがとっても愛らしく、読んでいる誰もが彼の事を好きにならずにはいられなくなります。幸せな出会いって、見ているだけでも嬉しい気持ちになれるんですね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
おもちゃ売場のくまの人形を一目で好きになり、自分の貯金をはたいて買いに行く女の子と人形との心のふれあいを描く。
よく紹介されている、古典的な絵本ですが
息子に読み聞かせたのは4歳の頃でした。
ぬいぐるみの話だから、女の子向けかな?と躊躇していたのですが、
むしろお気に入りの絵本に!
考えてみれば、夜のデパートでボタンを探すコールテンくんは
好奇心旺盛な男の子そのものですものね。
「ぼく、ずっと前から・・・してみたかったんだ」
のセリフが気に入って、真似してみたりしていました。
私が印象に残ったのはリサの優しさでした。
ボタンが取れたままのコールテンくんを、
お小遣いをはたいて手に入れ、ボタンをつけるとき
「あたし、あなたのこと このままでも すきだけど、
でも、ひもが ずりおちてくるのは、きもちわるいでしょ。」だなんて・・・ホントにいい子だなぁ。
自分のことのように嬉しくなってしまいました。
たった一人でも、無条件に自分を愛してくれる人がいれば
幸せな人生ですよね。
息子にとって、私達両親が、そんな存在になれますようにと願います。
暖色の表紙が象徴的な、心が暖まるお話。
幼稚園位のお子さんにおすすめです。 (ランタナさん 40代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)
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