好奇心旺盛のスコッチ・テリアのアンガスが、隣の垣根の向こうにいるあひるのところへ冒険に行くお話。
好奇心が溢れ出て、何も怖がらず向かっていくアンガスの姿は、誰でも共感できると思います。
何せ、子供の時は誰でもみんな、アンガスのように突っ走っていたに違いないからです。
無邪気で、怖いものもなく、ただ気になるから進んでいくアンガスを見ていると、
どこか懐かしく、心があったかくなるような思いがします。
最終的にアンガスはとても怖い思いをして、
「さんぷんかん、なにごともしりたいとおもいませんでした。」
という、アンガスの心情がよくわかる文章で終わるのですが、
これもまたどこか可愛らしく、ほっとした終わり方だと思います。
ソファに潜り込んで微動だにしないアンガスの絵からは、恐怖が伝わってきますが、
「さんぷんかん──」の文章からは、三分間でアンガスはきっと復活したのだろうと思わせてくれます。
まるで、一度寝たり、思い切り泣いたら、けろっとできた子供の頃のようです。
アンガスの好奇心を、娘はどう感じて、受け止めてくれるのかが楽しみで、
まだ1歳半で何も分かってはいないだろうと思いながらも、読み聞かせています。
娘はあひるがアンガスを追いかける時の鳴き声を気に入っていて、
何度もそのページを読ませられるくらいなので、これからも愛読書になりそうです。