「全然おにたの『ぼうし』は関係ないんじゃあ?」
小2の息子は、読み終わって言いました。
確かにねぇ、『ぼうし』が活躍するようなお話ではないのだけれど、まだ読み取る事ができなかったんだなぁ、と、残念ですが仕方ないかな・・。
しかし、このおにたのかぶっている季節はずれの麦わら帽子が、このお話の重要な部分を担っています。
一見、このタイトルからは「おにたのお気に入りの帽子の話かな?」と、想像してしまいそうですが、おにたは好きで帽子をかぶっているわけではありません。
「角を隠すため」に、帽子をかぶっているのです。
冒頭で豆まきを楽しんでいたまことくんや、次に出てきた女の子とも、「帽子をかぶらない」で遊びたかったでしょう。
ありのままの自分を隠してでないと、人間と接する事の出来ないおにたの、心情や立場の象徴が「おにたのぼうし」なのですね。
最後に少女が、おにたの事を
「さっきの子はきっとかみさまだわ」と言います。
姿かたち、生まれ、地位・・。私たちはいろんな基準で他人を判断しています。差別はいけない・・、分かっていても「レッテルで区別すること」にどことなく頼っていたりもします。
少女は、おにたの正体を知っても、神様だと言ってくれたのでしょうか?
もう少し高学年になってから、もう一度読んであげようと思っています。