ロバのシルベスターの楽しみは、変わった形や、変わった色の小石を集めることでした。
ある日、燃えるように赤く光っていて、ビー玉のようにまん丸の奇妙な石を見つけました。ところが、それは、持っている者の願いをかなえる魔法の石だったのです。
こともあろうに、自分で望んで岩になってしまったシルベスター。元のロバに戻れる可能性は、ほとんどありませんでした。
このままお話がどうなっていくのか、本当に心配でした。シルベスター自身の気の落ちようはもちろんのこと、家族の気持ちも強く伝わってきました。
魔法の石の持つ力、それよりも大きな力をもったものを感じることができました。
ちょっぴりとぼけたシルベスターの顔、やわらかな線、優しい色遣いの世界が、ふんわりと心を包んでくれます。