何でもかなう魔法よりも大切なものがある。
ロバのシルベスターはとうさん、かあさんと一緒に住んでいました。かわった形や色の石を集めるのが楽しみだったシルベスターはある日、願ったことがかなう魔法の小石を手に入れます。大喜びで何を願おうかと考えていると、目の前に腹をすかせたライオンが。そこでシルベスターはあろうことか「ぼくはいわになりたい」と願い・・・、岩になってしまいます。
たったひとつの希望は、誰かが小石をひろって、彼が元に戻ることを願ってくれること。でもそんなことは奇跡でも起こらない限り無理でしょう。無情にも時は流れていきます。ところが、奇跡は起こるのです。魔法よりも、ずっと大切なものがある。そう感じさせてくれる作品です。
補足:1970年のコールデコット賞作品。作者のスタイグは映画「シュレック」の原作者です。2006年02月新版が刊行され、旧版は「ロバのシルベスターとまほうのこいし」と、ひらがなのタイトルでした(日本での初版1975年、ISBN4566001016)。
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
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