みやにしたつやの絵本なので期待しました。毎回勘違いをうまく話の中に取り入れているなと思います。こぶたを食べようとしたおおかみがおおけがをして、こぶたたちに看病されてしまう。
読者側から見ると喜劇以外の何者でもない展開ですが、おおかみの心中は悲哀たっぷりです。この辺の心情をみやにしたつやはいつもうまく描いているなあと思います。
一方のこぶたたちは無邪気でとても親切。その優しさがおおかみに伝わります。良い人って信じられると人は悪いことはできなくなってしまうもの。世の中で一人だけでも自分のことを信じてくれる人がいれば人は変われるといいますが、その典型のようなお話です。
読んだ後、とても心が温かくなりました。クリスマスの絵本に加えたいお話です。