時代は、まだサムライがいた頃の日本。
初めて文字の読み書きを習った かっちゃんが
嬉しくて、習ったばかりの「いろはにほへと」を
繰り返し言いながら歩いていると、
お侍さんとぶつかってしまいます。
「前を見て歩け!」と怒られた かっちゃんは
「だって、いろはにほへとを覚えたとこなんだよう。
一生懸命、覚えながら歩いてたんだいっ!」
侍は、拍子抜けして笑って去っていきました。
そのお侍さんが、かっちゃんのことを思い出しながら歩いていると
ご家老の乗った馬とぶつかってしまいます。
「これはどうも。
いろはにほへとのことを考えておりましたもので」
そのご家老がお城に帰り着いてから
さっきのお侍さんのことを思い出しながら歩いていると
何かとぶつかってしまうのです。
思わず「無礼者っ!」と身構えると、相手は壁でした。
それを見ていた殿様が理由を訊ねると、ご家老は
「いろはにほへとのせいでござりまするっ!」
殿様は高笑いしながら、どこかへ行ってしまいました。
殿様の入った部屋では、隣国の遣いの者が待っていました。
二つの国の間の湖の水をどのように、
それぞれの国の田んぼに分けるか、相談するためでした。
その遣いの者の顔がのっぺりとしていたので
殿様はさきほど壁にぶつかった、ご家老のことを思い出し、
ニコニコしながら遣いの者の話を聞いていました。
隣国の遣いも、殿様の表情を見て安心し、
落ち着いて用件を話すことが出来ました。
そうして戦という、最悪の事態を免れて円満に解決した、
というハッピーエンドなお話です。
ちょうど我が家の長女が小1なのですが、
学校で新しい漢字を習ってくるたびに
とっても嬉しそうに私に書き順や読み方を
説明してくれるのです。
そんな初々しい気持ち、私は忘れていたことに気付きました。
春になって三女が入園したら、私も何か始めてみようかな☆
…という気持ちになりました。