昔、秋田の北のはずれ、かづのという所に、ひさという女の子がいました。無口でおとなしい女の子でした。ところがある日、肩や足に噛み傷だらけのけがをして帰ってきたのです。治療をするおかあさんには、犬に噛まれたというのですが…
なんと、芯のしっかりとした女の子なんでしょう。多くを語らず、いざという時には、正しいことをきちんと貫き通す。たとえ、それが、どんな結果が自分に降りかかってこようとも…
その勇気には、褒めたたえてあげたいと思うのですが、あまりにも悲しすぎます。
優しいいわさきちひろさんの絵にも、心が洗われる思いがしました。