
「こうばしい かおりに さそわれて」「じゅう じゅう じゅう」 ……ほら、美味しそうな匂いまで感じませんか? オノマトペを交えた音感の良い文章で、季節にまつわる行事や生き物、そして食べ物、さらには童謡まで、さまざまな事柄を1冊の絵本にギュッとまとめた「絵本で知ろう二十四節気」シリーズ。「夏」、「冬」に続き、「秋」が登場しました。
手書きの絵のように見えますが、実はコンピューターグラフィックの良さを生かした、立体感を感じる構図で描かれたもの。特に近景と遠景が立体的に感じられるところが印象的です。 日本の四季はそれぞれに良さがありますが、「秋」は十五夜や紅葉、霜降など色鮮やかな風景の移り変わりを目で楽しみ、美味しい食べ物を舌で味わえる五感に響くことがたくさんある季節。巻末の唱歌や童謡をおはなし会などでみんなで歌えば、耳でも楽しめちゃいますね!
内容も、親子で学ぶには多すぎず、少なすぎず、いい塩梅です。季節を感じるツールとして、手元に置いておきたい作品です。
(中村康子 子どもの本コーディネーター)

二十四節気を、コンピュータグラフィックと絵文字を用いた散文で描いた絵本です。「秋」では立秋から霜降までの節気を扱います。「秋」では紅葉や十五夜など秋の風景やお盆やお彼岸などの季節の家族行事などを扱いました。それぞれのテーマを、コンピューターグラフィックの良さを生かした色彩の鮮やかさや立体的な構図で描き、本文文章を散文と音感で表現することで、子どもたちの関心を惹くような工夫をしました。また本文では、秋の風景や出来事の解説を掲載しました。表見返しには二十四節気の説明を、裏見返しには秋の節気に関する解説と唱歌・童謡を紹介しています。

暑中お見舞いを出す習慣があれば、真夏の8月が暦の上では秋なのだということを知ることが出来ますが、今は廃れつつあるので、こういう本でも読まない限り、なかなか知る機会はないかもしれませんね。
天気予報のコーナーでは、折に触れ二十四節気の言葉の紹介が出ることが多いので、本を読んでその意味を感じ取っていれば、お話をもっと楽しんで聞くことが出来るようになるかもしれません。
この本は子供向けで、二十四節気の言葉の意味は巻末にまとめられているだけですが、優しい挿絵を見て、季節を感じられるようになるのは素敵だと思います。 (hime59153さん 50代・ママ 男の子14歳)
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