うみとりくはふたご。ふたりはそっくり。そっくりだけど、全然ちがう。ふたごでも、りくのからだはりくのもの、うみのからだはうみのもの。同じからだの人なんてひとりもいない。
うみとりくは、ぎゅーっとするのが好き。だけど、いつもじゃない。その日の気分によって変わるのは、ふたりとも同じ。最初は楽しく遊んでいても、だんだん嫌な気持ちになる時だってある。家族や友だち、どんなに親しくても、好きなこと、嫌いなこと、感じることはみんなちがうよね。自分のからだに、誰がどんなふうにさわっていいかは、自分が決めること。それは、特別だいじなところ「プライベートパーツ」だって同じ。だから……。
子どもたちに性教育を伝える活動を続けられている、産婦人科医の遠見才希子さんが伝えてくれるのは、誰もがかけがえのない「自分だけのからだ」を持っているということ。からだに対して感じている「モヤモヤ」は、大人になってもみんな違うもの。だからこそ、家庭の中での「性教育」はとても難しく感じてしまうのです。この絵本では、その違いを認めあうところから始まり、デリケートな性の話にいたるまでを、とても丁寧にわかりやすく進めてくれます。
「いやだ」「やめて」って いっていいんだよ。
「いやだ」って いえなくても にげられなくても ぜんぜん わるくないんだよ。
選ばれた優しい言葉の一つ一つに込められているのは、切実な問題。そして、どれも本当のこと。だからこそ、読めばそのまま子どもたちに伝わるはずだと確信できるのです。大事な1冊になりそうです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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ふたごのうみとりくは、そっくりだけど、ぜんぜんちがう。
りくはおかあさんになでられるのが好きだけど、うみはなでられるのが苦手。
そんな2人といっしょに、みんながそれぞれのからだを大切にするためには、どうしたらよいのか考える絵本です。
●自分の体にだれがどんなふうに触れるかは、自分で決められること。
●相手の体に触れるときは、同意が必要なこと。
●触るのも見るのも自分だけの、とくべつ大事な場所、プライベートパーツとは?
●プライベートパーツを触られそうになったら? 触られてしまったら?
大事なことだけれど、なかなか話しあうのが難しいからだの話を、かわいらしい双子といっしょに、
やさしいシンプルなことばで考えます。
性犯罪から身を守ることはもちろん、相手の体を尊重する態度を身につけます。
「生命の安全教育」の教材にも最適です。
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