表紙では、帽子をかぶったクマが細いひもを引っぱっています。
ひもの先には何があるのかな? と思っていると……。
「バナナといったら?」
うーん、これはなぞなぞ?
ページをめくると「バナナっていったら やっぱりきいろ」「きいろっていったら おつきさま」「おつきさまっていったら つきみだんご」……。
連想ゲームのように次々絵があらわれます。
しかもよく見たら、ぜーんぶひとつの線でつながっているみたい!?
楽しい気持ちも、ひとりぼっちのさびしさも、やっぱりなんだかつながっている……。
でも「さびしい」って口に出したら、ネズミくんが来てくれた!
最後はクマとネズミのうれしそうな様子が描かれる、ユーモラスな雰囲気の絵本です。
ページをめくりながら、線がどこからどこへつながっていくのか、子どもと一緒に線をたどってみるのも楽しそう。
作者は自然豊かな山間地で育ち、音楽で自分を表現するのも好きだったとか。
「一見すると関係のないことでも、実際にはそのすべてが繋がって「今」 を創っている」という思いを本作に込めているそう。
言葉や絵がころがってはずむように、テンポよくすすんでいくので、歌うように節をつけて読むのもおすすめです。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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