
「痛い!」同時に声を上げたのはなつ子とうめ子。麦畑に落ちた拍子、お互いのおでこを強くぶつけてしまいました。田んぼの用水路でハンカチを濡らし冷やしたものの、しっかりとできた大きなたんこぶ。 目的のよもぎ摘みを諦め、代わりに見つけたれんげを両手いっぱいに摘んだ2人は、花を抱え、こぼれんばかりの笑みで家路を急ぎます。待っている、なつ子のおばあちゃんの元へ??。そして家に持ち帰ったたくさんのれんげの花は、おばあちゃんの素敵なアイディアで、2人にさらなる笑顔をもたらします。
なんてことのない一日のなか、春のやわらかな田園風景で起きた小さなハプニングは、一瞬を切り取った写真のように、幼い2人の脳裏に鮮やかに刻まれたことでしょう。小さなケガの痛み、水の冷たさ、草花のにおい。友だちや家族と笑って過ごす温かい時間。五感で体験した全てが、大切な宝物になることを描き出します。かけがえのない子ども時代の尊さを、優しくあたたかく伝えてくれる一冊です。
(竹原雅子 絵本ナビライター)

首かざりだけじゃない! おでこのこぶにも花かざり。あそびながら歩いていたなつ子とうめ子が麦畑に落ち、おでこをぶつけ合って、たんこぶができてしまった。そんなアクシデントもおばあちゃんのすてきなアイディアで、かわいらしいたんこぶになり、みんなで大笑い! すてきな時間が流れた。小さな冒険と、ばあちゃんとの大切な思い出。あたたかな物語にそっと包まれる絵本。
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