こども園でハルトが七夕の短冊を書こうとしていると、あかちゃんの頃から仲良しのリカちゃんが言います。
「『うちゅうじんに あいたい』か『ちょうのうりょくしゃに なりたい』かで迷ってるんでしょ?」「もっと『ふつう』のねがいごとををかくのよ。わたしみたいに!」
リカちゃんが見せたのは「どんなびょうきも助けられるてんさいドクターになる」と書かれた短冊。
てんさいも「ふつう」なのか、「ふつう」ってなんだろうとハルトは疑問を持ちますが、早く書かないと帰れない、とリカちゃんに急かされるまま、「ふつうになりたい」と短冊を書いて園を出ます。
その帰り道、おしゃべりに夢中のお母さんたちは気づかないけれど、ハルトとリカちゃんは、灰色のクラゲみたいな変なものをたくさん見かけます。
そこへ突然生ぬるい風が吹き、あらわれた全身灰色のおじさんが「『ふつうおばけ』に とりつかれれば、だれでもすぐに『ふつう』に なれますよ」と言うのですが……。
おじさんが発明したという、灰色のクラゲみたいな「ふつうおばけ」を、リカちゃんの頭に乗せようとしたとき、ハルトはどうしたでしょう?
「ふつうになる」ってどういうことなのか、ハルトはわからないけれど、リカちゃんの願い事にはふさわしくないと感じたのかもしれません。
「『ふつう』じゃないと みんなに なかまはずれに されますからね」という灰色おじさんの言葉にはドキッとしてしまいますが、ハルトのように友だちを大事にする気持ちがあればきっと大丈夫!
ちょっとドキドキするストーリーで、「ふつう」よりも大切なことを伝えてくれます。
第27回えほん大賞ストーリー部門大賞、受賞作です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
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