キャンプに出かけ、夜空を見上げながら月に問いかけ、海の上でひかる波を数え、野原で風に揺れる花の気持ちになってみる。その輝きや明るさ、にぎやかさの中に「わたし」を見つける少女。
それからもみの木や雨つぶ、カミナリの音を聞きながら、強さと優しさときらめきを。さらに、どこまでも流れる川のような勇敢さも。
「でも、それだけじゃない。
まだ わたしの ぜんぶじゃない」
自分なりのやり方で、どっしり立ち、自分の道をゆく冒険家となり、みんなにひかりを届けるの。「わたし」の中には誰も知らない不思議がある。大きく育つ未来のための種がある。だからわたしは……。
目の前に広がる壮大な自然を背景に、詩のような美しい響きの言葉で語られるのは、「わたし」が感じる自分の中の無限の可能性。自分の足で歩き、直接地面に触れ、風や光を感じながら、そこかしこから自分らしさを見つけていく少女のしなやかな感性といったら!
細い線や繊細な色彩で描かれる小さな生き物たち。ダイナミックな構図でまぶしいばかりの光を放つ月や太陽。そして、自由でのびやかな線と元気の出る印象的なオレンジを使って描かれる少女。それらが画面の中で交錯し、見る人の心を静かに力強く刺激するのです。
新しい一歩を踏み出したい時に。気持ちが弱くなっている時に。自分を信じたい時にも。声に出して読むことで、自分に魔法をかけてくれる。そんな強さのある一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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