春が待ち遠しくなるような明るいピンクの表紙で登場したのは、「わかったさんのあたらしいおかし」シリーズの第3巻! スイートポテト、チョコレートに続いて、今回の物語の鍵となるお菓子は「マシュマロ」です。
「わかった、わかった。」が口ぐせのクリーニング屋のわかったさんは、今日も洗濯物の配達に出かけます。しかし、最初のお宅で待っていたのは、ヒツジのおじさん(ヒロツジさん)とアルパカのお姉さん(アルカワさん)という不思議な顔ぶれでした。今日はお花見で、おやつ担当のアルカワさんがイチゴのマシュマロを作るということで、材料を集めるための「スゴロク」に、わかったさんも一緒に挑戦することになります。
このスゴロクがちょっと面白いのですが、机の上で進めるのではなく、なんと自分自身がコマになって、スゴロクの世界の中に入り込んで進んでいくんです。サイコロの出た目に従って、「ふぶき」や「こなのなみ」「フルーツガーデン」など、ドキドキする名前のマスが次々に現れます。一歩進んだと思ったら戻されたり、「がーん」とふりだしに戻ってしまったり……。スゴロクの醍醐味がぎゅっと詰まった展開です。
わかったさんシリーズの物語の魅力は、奇妙な感覚に出会わせてくれるところではないかと思います。配達先のお客さんが思っていた感じとどこか違っていたり、配達の途中の道であれ? と違う世界に迷いこんだり。日常の中に不思議が隣り合わせになっている仕掛けにあっという間に引き込まれてしまうのです。さらに注意深く読んでいくと、不思議な世界のとびらが開く入り口と出口がいつもお話の中に隠れているようです。ちなみに今回の入り口は、春になると鼻水とくしゃみが出てしまうあの症状がヒントですよ。
そしてわかったさんといえば実際にお菓子を作れるレシピも目玉! 今回も巻末には、ひんやりあまずっぱい「イチゴマシュマロ」の作り方が掲載されています。物語の中にも、お菓子作りのポイントを教えてくれる「かぎマーク」が登場しますので、物語とレシピの両方を照らし合わせながら、マシュマロ作りにも挑戦してみてくださいね。
さらに、子どもにも大人にも永井郁子さんが描く挿絵は大人気! 全身ピンクでコーディネートしたわかったさんのおしゃれな姿、全ページに入っている挿絵は全てカラーで、魅力あふれる色彩がどんどん目に飛びこんできます。
はじめてわかったさんに出会う子どもたちも、かつて夢中になった大人も、ときめきがいっぱいの一冊。さあ、わかったさんと一緒に、現実とファンタジーが交錯する不思議な世界のとびらを開けてみませんか。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
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