日本とフィンランドのコラボ絵本
北の国、小さな岩の島に住む女の子アーム。生まれてから一度も見たことのない、大きな木への憧れを綴った手紙を、ボトルに入れて海に流しました。遠い場所に住む年老いたクマのイルタがそのボトルを拾いました。手紙を読んだイルタはかつて耳にした美しく大きな木のことを思い出し、アームに見せたくなりました。そしてその木の存在について返事を書いたのでした。同時にイルタは、好奇心旺盛なアームの姿に若い頃の自分を思い出し、彼女に会いたくなりました。大きな木を目指して、それぞれの旅が始まりました。
本書は本の上下を逆にすることで、前からも後ろからも読み進めることができます。アンネ・ヴァスコが描く生命力に溢れたアームの旅と、福田利之が描く人生の終焉を迎えようとするイルタの旅。本の真ん中でふたつの旅が重なります。
(制作の背景)
本書は、フィンランドの絵本作家・イラストレーターのアンネ・ヴァスコと日本のイラストレーター福田利之、フィンランド在住の翻訳家、ムーミン研究者の森下圭子、デザイナー酒井田成之の4人による絵本プロジェクトから生まれました。作家2人の感性が響き合うのではないかと考えた森下さんが両者をつなぎました。互いの作品に興味を持ち、共感し、リスペクトした2人は、日本で2人展を開催し、一緒に絵本を作ろうと約束しました。それが15年前のことです。酒井田さんがデザインし、プロトタイプの絵本ができましたが、当時は出版するには至りませんでした。時は過ぎ、2023年に仕事で来日したアンネさんを福田さんが訪ねたことをきっかけに、絵本プロジェクトが再開されました。根底にあるテーマは変わりませんが、眠っていた絵本が起きるまでの十数年の間に、2人は作家としてさらに成長し、経験を積み、深みが増し、それが絵本のテーマを熟成させことになりました。日本とフィンランド2カ国の出版社で刊行します。
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