本書は既に刊行済みの『コンピュータ将棋の進歩』(1996)、『コンピュータ将棋の進歩2』(1998)の続編として、最近のコンピュータ将棋の研究開発の現状を論文集の形でまとめたものである。これらの本に取り上げられている論文のテーマの推移を見ていくだけで、ここ5、6年のコンピュータ将棋の急速な進歩を知ることができる。
第1巻には詰将棋を速く正確に解くプログラムや詰将棋の芸術的価値を評価するプログラムが登場する。コンピュータはまず詰将棋を解く能力で人間に追いついて超えたのである。指し将棋のほうは、コンピュータ将棋第一世代の一つである柿木将棋のアルゴリズムが掲載されているものの、全体としてはまだ十分に展開するには至っていなかった。
第2巻には第二世代の代表であるYSS(商品名AI将棋)のアルゴリズムが掲載され、コンピュータ将棋の新たな展開を示している。この論文は将棋プログラマに大きな影響を与えた。脊尾の詰将棋を解くプログラムによって、解く試みには一応の結論が出たと言える。その後、コンピュータ詰将棋の興味は解くことから作ることへと移り、パイオニアである野下の論文が掲載されている。
そして、この第3巻に至る。本巻では、指し将棋の現在のベスト3とされるIS将棋・金沢将棋・SHOTESTについて、それぞれ開発者みずからが詳しく解説している。また、詰将棋に関しても、「解く」ことから「創作」へシフトし、今後の方向性を明示する興味深い論文が3編掲載されている。
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