2026年3月に101歳でこの世を去った布貼り絵作家・藤田桜さんが、遺してくれた宝物のような一冊、絵本『さんびきのくま』。
奇跡的に発見された「幻の原画」待望の書籍化――
森の中に住む「大きなくま」「中くらいのくま」「小さなくま」の仲良しな三びき。
彼らがお散歩に出ている間、一人の小さな女の子が家を訪ねてきます……。
本作は、1978年に学習研究社から刊行された『せかいのおはなし』第2巻に収録されていた作品です。長らく単行本化されていませんでしたが、2025年に偶然その原画が発見されました。生前、藤田桜さん本人の「書籍として届けたい」という強い願いがあり、その意向を汲んで今回の出版が実現しました。
唯一無二の「布貼り絵」の世界――
藤田さんは、中原淳一の雑誌『ひまわり』の編集者を経て、37年間にわたり『よいこのくに』の表紙を手がけ、日本の幼児文化に大きく貢献してきました。
本作の魅力は、彼女独自の「布貼り絵」にあります。イギリスの昔話を題材に、さまざまな布を重ねて描かれた三びきのくまと女の子の姿は、繊細で温かく、布のやわらかな質感まで感じられるようです。
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